吉良さんが酔っている。どうやらカーズさんとDIOさんに飲まされたらしい。あの2人は人間じゃないから置いておくとして、問題は吉良さんだ。
いつもきっちりしている吉良さんの表情や服装が緩い。顔は赤くてぼーっとしてるし緩められたネクタイと普段よりも多く釦を外したワイシャツから覗く肌が相まって色気がある。
少しどきどきしながらも吉良さんに水の入ったカップを渡す。
「ありがとう」
そう言うと私の手を取り口に入れようとした。これは酔っているのかわざとなのか。普段の行動からだと判別がつかない。
普段なら手を引っ込めるところだけど、吉良さんは酔っているんだ。そう自分に言い聞かせる。
「そっちじゃないですよ」
そう言ってカップを口元に持っていく。水を飲ませ終えて吉良さんの腕を肩に乗せて運ぶ。
「着きましたよ」
布団に降ろして布団をかける。
「おやすみなさい」
「名前……」
吉良さんが私の手を引っ張ったため、バランスを崩して倒れた。吉良さんは私を抱き枕にしてしっかりとホールドしている。
「吉良さん?」
もう眠っている。仕方がないので私もこのまま寝よう。人の体温というのは心地がいいものですぐに眠くなってしまった。