浴(イギー・花京院・ポルナレフ)

「イギー!暴れないでよ、泡が流せない」

シャワー室から名前の楽しそうな声が聞こえる。

「いいよなー、俺もイギーになりたかったぜ」
「……」

同室の花京院は本から視線を外し俺の顔を一瞥した。

「不審者を見るような目付きだな」
「それじゃあ別に間違ってないんじゃないか」
「なっ、じゃあお前は何とも思わないのか」
「別に」
「あいつって意外と胸ありそうだよな。この前車で寝てる時にチラッと見えたが結構ありそうだったぞ」
「そうですか」
「それだけかよ!お前は貧乳の方が好みなのか?」
「別にそういうわけではありません。彼女だったら小さかろうが大きかろうが問題じゃありませんよ」
「それはつまり……名前が好きってことか?」

花京院はしまった、という顔をした。

「へ〜そうだったのか、どうりで街で通りかかる女の話をしても興味がないわけだ」
「うるさい!エメラルドスプラッシュ!!」
「おいやめろ!俺がわるかったって!」

名前がシャワー室から出てくると、花京院と床に倒れている俺を見てポカンとした。

「何をしてたの?」
「大したことじゃないさ、2人でちょっと鍛錬してたんだ。……なあ、ポルナレフ?」
「あぁ。じゃあ汗もかいたし先にシャワー浴びるぜ」

俺はそそくさとシャワー室に入って行った。


bkm