「先生、遊びに来まし……」
「名前」
いきなり抱きしめられた。
「露伴先生どうしたんですか?」
「名前、好きだ」
帰ってそうそう熱烈な告白を受けた。露伴先生からはふわりと酒の匂いがする。飲んだのか。私の身体に体重がかかり重い。
「先生、ベッドに行きましょうか」
「行く」
私にべったりくっついて離れない先生の肩を支えながら覚束ない足取りで寝室へ向かった。
露伴先生をベッドに座らせる。
「今お水持ってきますね」
「……」
そう言って手を放そうとすると露伴先生が手に力を込めた。
「行くな」
「でも……」
「隣に居てくれ……」
私は露伴先生の隣に腰を降ろした。頭がゆらゆらと揺れていて今にも瞼が閉じられそうだ。露伴先生は私に寄りかかると首に抱きついた。首もとに頬を寄せて擦り寄る姿が猫みたいだ。
「名前……」
私の名前を呼んだかと思うと急に大人しくなった。眠っている。
私も寝てしまおう。身体を後ろに倒すと大分楽になり、露伴先生の体温を感じながら眠りに落ちた。
***
目が覚めると名前が僕の下で眠っている。ベッドに入った記憶がない。
「ん……ろはんせんせい、起きたんですね」
「何で一緒に眠ってたんだ?」
「露伴先生がお酒で酔っていたからです」
「僕が?冗談にしてはつまらないぞ」
「本当ですよ。ヘヴンズ・ドアーで見ます?」
「……」
居間に行くと飲みかけの酒が置いてあった。