にくらしい(ポルナレフ)

「ポルナレフ、お酒飲む?」

俺の返答を聞かずに名前は缶ビールを放る。

「サンキュー」

名前も缶ビールを冷蔵庫から取り出し美味しそうに飲んでいる。

「名前〜もう少し女の子らしくしたらどうなんだよ」
「ポルナレフだからいーの」

それは喜べばいいのか悲しめばいいのか。仲間としては認められていても、男として見られていない気がする。名前は機嫌が良さそうに俺の座っているソファーにぼすんと勢いよく座った。

「ほら、そういうところだよ」
「またポルナレフのお説教が始まったー」

そう言いつつも名前の表情は笑顔で嫌そうな顔はしていない。

「もう酔ってるのか?」
「そうかも。久しぶりに飲んだからかなー」

そう言いながら俺の方に頭を向けてソファーに横になった。名前の着ている衿が開いた服からはいつもよりも肌がよく見える。ちらりと見えた胸元にどきりとする。

「名前」
「ん〜?」
「そうやってると危ないぞ」
「何が?」
「俺が」
「ポルナレフ好きだからいいよ」
「なっ!」

そう言うと名前は身体を起こして俺の肩に凭れた。名前の言ったことを都合よく解釈してしまいたい。

「本気にしちまうぞ」

冗談半分、本気半分で言う。

「……」

沈黙が痛い。名前を見るとぐっすりと眠っている。溜め息をついて名前をベッドに寝かせ、寝顔を眺めた。
俺の気も知らずに安心して眠っている姿を見ると少し腹立たしくなる。俺は名前のせいで寝付けずにいるのに。

bkm