抱き枕(DIO)

朝方家に帰ると名前はぐっすりと眠っている。よく見ると名前の布団の隣に膨らみがあった。誰かが布団に潜り込んでいるのか?そう思い、布団を捲ると大きなイルカの抱き枕が横になっていた。

名前はそれに抱き付いて幸せそうな笑みを浮かべている。イルカの分際で生意気だ。
私は抱き枕を退けてイルカのいた場所に横になる。すると名前は私の身体にしがみついてきた。

***

「名前、朝だ」

吉良さんの起こす声で目が覚める。もう少し眠っていたいとぎゅっと抱き枕に力を入れた。するとふんわりとした感触がしない。それにイルカは布団から少し離れたところに転がっている。じゃあ、私の隣に寝ているのは?

どきどきしながら布団を捲るとそこには黒いつぶらな目をしたイルカ、ではなく赤い目の筋肉質な男がいた。

「あああああああ!」
「うるさいぞ」
「何でここにいるんですか?!」
「名前、私が抱き枕になってやろう」
「何言ってるんですか?!そんな固い抱き枕ありませんよ!」
「……では名前が私の抱き枕になれ」

そう言うとDIOさんがぎゅうぎゅうと私の身体を抱きしめた。

「く、くるしい……」
「名前、遅刻するぞ」
「はっ!」

bkm