※病んでる
目を覚ますとソファーに横たわっていた。いつの間に眠ってしまったんだろう。身体を起こそうとしたが身体が動かない。
視線をさまよわせているとカーズさんが歩いてきて私の顔を覗きこんだ。
「起きたか」
身体が動かない、そう言おうと思っても声が出なかった。身体の異変に戸惑っているとカーズさんが私の頭を撫でた。
「さっき男と話していただろう……名前は私だけを見ていればいいのだ」
そう言うと私の動かない足を持ち上げた。
「麻酔が効いているようだな」
一体何をするつもりだろう。髪の毛で顔が隠れていて表情が窺えない。
「歩けなくなればここから出られないだろう?そうすればずっと私だけのものだ」
カーズさんは穏やかな声で言うと、私の足に手を入れどこかの筋に触れる。慣れない感触が気持ち悪い。ぐにぐにと私の筋を摘まんでいる。
「これはアキレス腱だ。麻酔が効いているから痛くはない」
怖い。涙が溢れて止まらない。
「名前は私の側にいればいいのだ」
そういい終えるとぶつりと音がした。