そろそろ夕方だろうか。起きるとまだ3時だった。部屋を見渡すと名前が昼寝をしている。他の住人は出掛けているらしい。
名前の顔を覗きこむとよく眠っている。今日はまだ飯を食べていない。
無防備に晒された首筋に喉が鳴る。髪の毛を払い、少し肌蹴させる。
首筋を舐めると名前は小さな声を漏らしたが眼は覚まさない。いよいよ名前の首に牙を突き立てた。ぶつり、と皮膚がさけて牙が食い込み血が少しずつ溢れてくる。ああ、うまい。
ぴちゃぴちゃと音をたてながら舐めていると名前の瞼がだんだんと開かれた。
「ん、……っ、DIOさ、っひぁ」
穏やかな表情をしていた名前の顔がだんだん赤くなっていく。
「動くな」
名前の顎を掴み、吸血する。
「もう、十分じゃ、んぅ」
「足りない」
名前の制止を気に止めず続けていると誰かが帰ってきた。
「吉良か」
「っ吉良さん!カーテン開けてください!」
「私は静かに暮らしたいんだ」
「後で手を触っていいですから!」
「わかった」
「おい、吉良やめろ!」
吉良は窓側に行くとカーテンを勢いよく開けようとした。
「ザ・ワールド!」
急いで棺桶の中に入る。危なかった。
***
DIOさんに逃げられた。でも吉良さんが居てよかった。
「吉良さんが帰ってきてくれてよかったです」
「危ないところだったな。それじゃあ手を貸してくれ」
「……はい」