「眠いのか?」
夕食を済ませた後、名前はうとうとしており、身体が揺れている。
「ん、」
「おいで」
名前の肩を引いて頭を膝の上に乗せる。普段なら恥ずかしがって逃げるが、今日は眠さのせいか抵抗しない。そっと頬に触れると気持ちがいいのか私の手に手を重ねて固定する。
まもなく名前の身体が静かに上下し始めた。もう眠ってしまったらしい。本を読みながら時折名前の様子を伺うと幸せそうな寝顔をしている。
名前が身動ぎ、もう起きたのかと視線を移すと寝ていた。私の手に顔を擦り寄せている。まるで猫みたいだと思った。
私は答えるように頬を撫でる。すると満足そうな表情を浮かべて大人しくなった。
***
「ん、」
「起きたかな?」
私の顔が前にあって驚くと同時にだんだん顔が赤くなった。
名前はそろそろと身体を起こして、そっと私から距離をとった。少し傷付くな。
「あの、膝を借りてすみませんでした」
「構わないさ。寝顔をよく見せてもらったよ」
そう言うと名前はますます顔を赤くして居間から逃げていった。