ポルナレフと買い物に来ていたときだった。
「あ、雨だ」
ぽつり、と頭に水滴が当たったかと思うと頬にも当たる。だんだん雫のあたる間隔が短くなり、雨音で周りの喧騒が聞こえなくなった。
「!」
ポルナレフが私の手を掴み走り出す。私は手を引かれるままに後に続いた。着いたのは木の下だった。
「大分濡れたな」
「……うん」
「!名前、さっき買ったタオル貸してくれ」
「うん」
タオルを差し出すと私の肩にかけた。ポルナレフは明後日の方向を見ている。
「ポルナレフが使うんじゃないの?」
「いい」
「風邪引くよ?」
「大丈夫だ。いいから、名前が使え」
「でも、」
「……名前、服」
「服?あっ」
ようやくポルナレフの言いたいことがわかった。私の服は白かったため雨で濡れて透けていたのだ。
「ごめん、ありがとう」
「……ちゃんと拭けよ」
普段は女の子に声をかけてへらへらしているのにこういうときはすごく紳士的だ。
「ありがとう、ポルナレフ」