※微裏注意
「ふたりとも、ちょっと離れてっ」
私は前に露伴先生、後ろは仗助に挟まれて動けない。
***
原因は10分ほど前に遡る。
露伴先生の家に行くと、家の前で仗助と先生が口論をしていた。険悪なムードが漂っている。だが私もここに用事があったので帰るわけにもいかない。
「また喧嘩ですか?」
「ああ、名前か。何か用か?」
「お菓子を持ってきました」
「そうか、まあ入れよ。お茶くらい飲んでいくといい」
私は露伴先生のファンでこの前サインを貰ったお礼にケーキを持ってきた。
「俺も入る」
さっきまで露伴先生と揉めていた仗助も入ると言い出した。
「お前にお茶を出すなんて一言も言っていない」
「このまま名前一人を露伴の家にいれると危ないからな」
「フン、勝手にしろ」
私たちは露伴先生の家に入った。客間に入ると高そうなソファーが置いてある。座るとふかふかしていて心地いい。
「今、お茶淹れてくる」
「ありがとうございます」
しばらくすると、3人分のティーカップをお盆にのせて戻ってきた。
私は持ってきたお菓子を取り出す。
「先生の口に合うかわからないですけど……」
「ケーキか」
「はい」
ケーキを取り分けて先生と仗助に渡す。
「ん、悪くないな」
「素直に美味いって言えねぇのかよ」
「何だと?」
再び口論が始まった。
私は二人の様子がおかしいことに気づいた。なんか顔が赤い。もしかしたらケーキに入っていたお酒のせいかもしれない。
なんだか面倒くさいことになりそうなのでそろそろ帰ろうと思った。
「名前、どこに行くんだ?」
「そろそろ帰ろうかと」
「まだ早いぞ。もう少しゆっくりしていけよ」
そう言って先生が私の肩をつかんだ。
「名前に触るな。やっぱり俺が付いてきて正解だったぜ。もう露伴には近寄らないほうがいい」
そう言って仗助は私の身体を後ろから抱きしめた。
「仗助、離れて」
「嫌だ。…はぁ、名前……」
そう言って頬を私の首に擦り寄せる。
大型犬のように擦り寄る仗助を見て、露伴先生は私たちを睨んでいる。
「おい、名前から離れろ」
「嫌だ」
「チッ、なら僕も好きにするからな」
好きにするってなんだ。そう思っていると露伴先生が前から私に抱きついて首を舐める。
「っ、先生!」
「……この状況で先生呼びはいやらしいな」
「名前、露伴のことなんて見るなよ」
今度は仗助がむすっとした声で私の名前を呼ぶ。
「んぅ、」
いきなり制服の裾から手を入れられ直に触れられる。どちらの手かわからないが、熱い。
先生が抱きついていて顔を動かせない。目に入るのは自分の前方にあるソファーと壁だけだ。そのせいでどちらが触っているのかわからない。
「ちょっと、ふたりとも!」
服の中に入れられた手がエスカレートしていく。そのうちスカートの中にも手が伸びてくる。スカートの下にジャージのハーフパンツを履いていてよかった。
「チッ、こんな色気のないもの履くなよな」
「っ、」
どちらかがハーフパンツを下に引っ張りあっけなくぱさりと私の足元に落ちた。足がすーすーする。
「はぁ、名前の太もも、柔らかいな」
露伴がそう言って私の太ももを撫でまわしている。
二人とも息が荒くなっていて首元にどちらの吐息かわからない熱い息がかかる。
もう我慢の限界だ。
「っお前らいい加減にしろー!」
私はありったけの力で露伴と仗助を引き剥がし、二人をひと睨みして客間を後にした。