目が覚めると私は露伴に後ろから抱きしめられていた。首に彼の息がかかりくすぐったい。まだ寝ている露伴を起こさないようにじっとしていた。
「!」
寝ている露伴の腕が動く。手が置かれた位置は、私の胸の上だ。いきなりのことに私の鼓動が早くなる。露伴にバレたら恥ずかしい、と思ったが寝ていたことを思いだし、落ち着こうと深呼吸をした。
「随分と脈が早いんじゃあないか」
露伴は起きていてわざとこんなことをしていたのだ。人がせっかく起こさないように気を遣っていたというのに。恥ずかしいやらむかつくやらで枕を露伴に投げつけてやった。