俺は、"女"の人が苦手だ。決して嫌いな訳では無い。先に言っておくが断じてホモではない。
女の子を見てる分には可愛くて、柔らかそうで、凄く幸せになるのだがいざ近くに来るとどうしても恐怖を感じてしまう。
これが理由で何人かの告白も断ったし好きな子に告白して、付き合えたはいいが、これまたこれが理由でフラれた。
手を繋ぐなんて滅相もない!
近くにいれるだけで俺は幸せなのに、彼女たちは違うらしい。女心とは難しいものだ。

最近は断る事が多すぎて、「実は謙也くんってホモなんじゃないのかな…」なんて、女子の間でヒソヒソと噂されているらしい。
何度でも言おう。決してホモではないと!


「…で、謙也は俺にどーしろ言うねん」
「や、ユウジならなんかしてくれるんやないかなーって」

少し間が空いた後無言でユウジに殴られた。

「知るかボケ!そんなん、『千歳と付き合うてるから、俺はホモやないっちゅー話や!』とか言っとけばええやん!」

痛いと抗議する前に言い捨てる様に強く言われ、思わず怯んでしまう。これだからヘタレと呼ばれるのだ。

「ちゅーか自分等ホンマに付き合うとるん?」
「付き合ってはいるで。…なんもしてへんけど…」


はあ、とわざとらしく溜め息を吐かれて、少しだけ落ち込んでしまう。俺だって、出来ることなら手も繋ぎたいし、キスだってしたいし、それ以上もしたい。
だけど、なんの因果が俺は"女性恐怖症"だ。母親曰く物心つく前から母親以外の女性に懐かなかったらしい。どんだけマザコンやねん。

自分の境遇を思い、ううっと呻いていると、ユウジが何か思い付いたのか、突然背中を叩いて来た。
そして、「ちょお耳貸せや」と言われて耳を引っ張られた。


「いだだだだ!ユウジ痛いわ!」
「おどれはうっさいわ!…やなくて、さっき千歳が屋上行くとこ見たから、千歳にキスのひとつでもしてもらえばええやん。そんで手でも繋いでみんなの前通ればええんやないの?」





「……っはあああああ!?」


数秒硬直した後出た言葉がこれだ。ユウジに「うっさいわ!」と叩かれなかったら止まらず未だ叫んでいただろう。それぐらいビックリした。


「え、ユウジ、俺が女の子ダメなん知っとるやろ…!」
「知っとるで」
「せ、せせせ、せやったらななな、ななんで…!」
「吃り過ぎやアホ。…あんな、いちいちお前ののろけに付き合う俺の身も考えろや。ちゅーか付き合うてるんやったら、女の子ダメなくらい言えや」

うっ、と固まる俺を余所に勝ち誇った様な顔をして、「まぁ、頑張りや」と言いながらユウジはクラスへ戻っていった。
残された俺は着いていく事も出来ず、ため息を吐くしかなかった。

ユウジの言う通り、千歳と付き合いはじめて1ヶ月は経つが、実は俺が女性恐怖症なことを伝えていない。
何度か言おうと思ったのだが、言って嫌われたらどうしよう、別れを切り出されたらどうしよう、と、怖くて言えていないのが現実だ。
いつかは言わなくてはいけないことはわかっている。ただ、千歳とは一緒に居るだけで幸せな気持ちになれるのだから、このままでもいいんじゃないかと思い始めているのも事実だ。


再度大きなため息を吐き、これからどうしようか考える。
急いでお昼を食べてきたので、時間があり余っているのだ。
そんなとき、携帯が振動しているのに気付いた。白石辺りからだと予想して開いてみれば、予想外に千歳からだった。
とりあえず開く前に保存をして(千歳からのメールなんて貴重すぎる!)





続きはウェブで!と、古い冗談は置いといて続きは無理でした。
なんか思い浮かばなくなってしまった(´・ω・`)本当は女性恐怖症な謙也に意気揚々と近付くちょっとSで天然で押せ押せな千歳さんを書く予定でした。千歳さん登場すらしてない!

0820
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -