謙+ちと


リビングでテレビを観ていると、テレビの音の間から、廊下を歩く小さな足音が聞こえる。
彼なりに極力小さな音でリビングの扉を開けるが、俺の耳には扉を開ける音がしっかり聞こえていて入ってきたのがわかった。

頑張って抜き足で歩いてくるのがわかって、可愛いことをするなあと笑いを堪えるのに必死だ。


「けん、に!遊びに来たばい!」


床を蹴る音が聞こえ、ソファーに腰掛けてる俺の背に飛び付いてくるちぃ。


「お、ちぃやん。びっくりしたわ〜」

案の定入ってきた人物は最近近所に越してきて、何故かわからないが俺のことを気に入ったらしい千歳千里くん(四歳)だった。
小さい子は好きか嫌いか聞かれれば好きな部類だ。見ていて癒されるし、何より可愛い。
ちぃも勿論可愛くて、「謙にぃ、びっくりしてくれたと?」と、目を輝かせながら言われて思わず笑みが溢れる。

「ホンマびっくりしたわ!ちぃ驚かすの上手やなあ」

ぽんぽんと頭を撫でてやれば、満足そうに笑い、隣に座る。
付けっぱなしのテレビをそのまま観ていれば、構って欲しいのか下からチラチラと視線を送ってくる。
ちぃがテレビに集中し出した頃、こっそりと腰に手を回して、脇腹を擽る。


「っ、や、けんに、きゃ、ははは!」
「なんやー?構ってほしかったんやろ?ほーらほらー」
「擽ったか…!はははっ、はっ」

ビクッと身体が跳ね、そのままじたばたし始める。くすぐったいのかずっと笑っている。あんまりやり続けて嫌われるのも嫌なので、反応が薄くなってきたところでやめる。笑いすぎでぜーはーとしているちぃに笑いかけてやれば、頬を膨らませた後「謙にぃは意地悪やけんね!もう謙にぃのこつ嫌いばい」と言われてそっぽを向かれてしまった。


「すまん、すまん、やりすぎたわ。これやるから機嫌直し」


ごそごそとカバンを漁って、先日後輩と行ったゲーセンで見つけた、ちぃの好きなキャラクターのぬいぐるみを取り出す。ちぃの小さな手のひらに置いてやれば、膨れていた頬は急激に萎んで、可愛らしい笑顔で「ありがとお」と言われた。
気に入ったのかずっとそのぬいぐるみの頭をを撫でている。


「そんなに好きなん?」
「ん、葉っぱ持ってバス並んで、雨がざーってなるとこがむぞらしくて、好き!」


ちぃが言うことはよくわからないが、好きならそれでいいだろう。「それなら、よかったわ」と言えば、何かを思い出した表情をした後「でも、謙にぃの方がもっと好きやけん心配しなくてもよかよ」と言われた。


「おおきになあ、ちぃ。謙にぃ嬉しいからちぃのことぎゅーしたるわ!」


ぎゅーっと口で言いながら抱きしめてやれば、小さな腕で抱きしめ返してくれた。それが嬉しくて、更に強く抱きしめてやれば、痛い!と怒られた。





ショタちぃくんが書きたかったんです。着地点が見つからなくなった上キャラ崩壊乙。
思い付いた文字を繋げただけなのでよくわからなくてすみません。
0804

「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -