付き合って二週間が経つが今だ彼が手を出してくる気配が無い。 キスをしてくるでもなく、身体を求めてくる訳でもない。俺に興味が無くなったのかと考えたが、そういう訳では無いみたいだ。 今だって、ブラブラさせている俺の手に自分の手を伸ばしてはやめて掌を見つめて、ぐっと拳を作ってから再度手を伸ばしてやめるというよくわからない行動をとっている。 手を繋ぎたいのはわかるのだが、もっと大胆になってもいいのではないか。 (まあ…そんなとこも好きやけんしょんなか) 未だにどうするか悩んでいる謙也の手を自分から掴めば、ビクッと身体を震わせて驚かれた。 「ち、千歳!」 顔を真っ赤にして声が裏返るほど驚いた謙也がぎゅっと手を握り返してくれて、ただそれだけのことなのに嬉しくて仕方ない。 「俺が寂しいけん手繋いでもよか?」 「…お、おお」 真っ赤な顔をしながら一歩先をを歩いて手を引いてくれる謙也が愛しくて自然と笑顔が溢れてくる。 「ねえ、謙也。俺、謙也の事好いとうよ」 「なななな…!」 ふふっと笑いながら伝えれば驚いて足を止めて振り向く。先程以上に顔が真っ赤だ。 そんな赤い顔が可愛くて、マヌケな顔をしてる謙也の唇に触れるだけのキスをした。 ( いただきますとごちそうさま ) |