※未完です。完結する予定が無いのでコネタ扱いです。


ユウ→くらちと←謙



パシンと乾いた音が響いた。謙也と喧嘩するのは別にはじめての事ではない。ただ、それは口喧嘩であって叩かれるくらいの喧嘩したのはこれがはじめてだ。
部活終わりの部室での喧嘩でまだ殆どのレギュラーが着替え中だ。
何が起こったのか判らず部室内の空気は凍っている。それもそうだろう。俺たちは自他共に認める親友だ。
誰も音を発しず着替えの手を止めて見守っている。
俺はと言うと、なぜ謙也に叩かれたか判らず反応に困っていた。
謙也の顔を見れば酷く険しい表情をして俺の事を睨み付けている。

「…なんやねん突然」

言葉と共に睨み返せば、更に目付きを鋭くさせ睨み付けてくる謙也。

「なあ白石。お前の千歳に対する気持ちってそんなもんやったん?せやったら、…俺に譲ってや」

(ああなんだ千歳の事か)

相変わらず部活に参加する気が無いのか今この場に居ない千歳の話を持ち出されても困る。
他人の為に感情的になるのは謙也の良いところかもしれないが、正直千歳と俺の関係に口を出して来られるのは面倒極まりない。しかし、譲ってほしいと言うのは如何なものだろうか。千歳は"物"でなく"人"だ。
そんなことを考えながら変わらず睨み付けてくる謙也に笑いそうになる。何もそんなに必死にならなくてもいいじゃないか。
「…白石最近可笑しいで。それに千歳の打撲傷やったんの白石やろ?」

俺の表情の変化に気付いたのかゆっくりと喋る謙也。

「へぇ…そーなんや。千歳が相談したん?」

口角を上げて言ってやれば苦々しい顔になり、俺の事を殴りたくてしょうがないと言う表情を浮かべながら拳を握り締めてる。
謙也は首を左右に振り「…勘、や…」と小さく呟いた。

(此れだから謙也は侮れない)

ふうっとため息を吐いて、謙也から視線を外し部内に視線を変えれば、視線に気付いたのか一斉に何事も無かったようにしようと必死なレギュラーたちがいた。
その姿が滑稽で再度笑いを堪えるのが大変だ。
ただ、その中の一人、ユウジだけは他のやつらと違い視線を反らす事なく俺を見ていた。
きっと、観察眼の鋭いユウジも気付いていたのだろう。
手早く着替えて無言で出ていくレギュラーたちを後目に俺たちも着替えを始める。
着替えながらも謙也とユウジから痛いくらい視線を感じて鬱陶しい。重い空気の中口を開いたのはユウジだった。





ここで終了です。白石に告白するユウジとか、ユウジの気持ち知ってる白石とか、ユウジから宣戦布告受ける千歳とか、謙也からの告白を笑顔で断る千歳とか考えたんですけど1つに纏めるのは無理でした。
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