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ギル←エリ


まどろむ思考の先には何故か義兄がいて。
夢か現実か、その境目もわからないほど俺は疲れていたのだろうか。
義兄の、手袋をしていない手が俺の髪の毛を指先で遊ぶ感覚がする。

「…ん」
「あ、おっ、起きた…か?」

目をこすり今度ははっきりと世界と義兄…ギルバードが見えた。
なんでそんなにうろたえてんだ、と言ったらまた狼狽した。何してんだこいつは。
右手に持っていた本が落ちる。
本を読んでいたはずだがいつの間にかソファー横になっていたせいか眠っていたらしい。
心地良い感覚を手放したくなくて、そのまま目を閉じる。

バタン、とドアが閉まった音がした後しばらくするとまた戻ってきたのかドアが開いてそして閉まった音が鳴る。

ふわりと毛布がかかったのがわかる。わざわざ取りに行ったのか。
さすがに少し申し訳なくなって(俺が自分の部屋のベッドで寝ればよかったんだから)何か言おうと思ったが、目も口も動いてくれない。もう頭もぼんやりしている。

「………」

俺が寝てると思ったのかギルバードが近づいた気配がすると、額に温もりを感じた。多分キス、したんだと思う。

数秒俺の頭を撫でるとギルバードはドアの向こうへと消えた。

一気に目が覚めた。がばっと体を起き上がらせる。きっと顔が熱い。なんだ、なんだ今のは。

「…ばか、…やろ」


(期待させないで)

義弟としか、思ってないくせに
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