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バッツはスキンシップが多い。
最初は抵抗なく自然と受け入れたそれが辛くなったのはいつからだっただろう。

「ジターン!」
「うおっ」

抱き着いてこようとしたバッツを間一髪で避ける。心臓がばくばくと鳴るのをうるさい、と心の中で叱咤する。
反射神経がいい体でよかったと安堵した。

「なんで避けるんだよ、ジタンー」

じりじりと楽しそうに俺と向き合うバッツ。
本当のことなんて言えるわけがないだろ。
あくまで表面上は悪戯っ子のように「捕まえてみなー!」と言って反対側に走った。

足に自信がある俺にバッツが追いつけるわけがない。
思わず全力疾走していたらしく気がつけばバッツの姿は見えない。いつの間にか次元城まで来ていた。

「……はぁ」

壁に寄りかかってため息をつく。
どうしてこんなことになったんだ。
体の全身が脈を打っているように熱い。

「みーつけた」
「…っ!!」

捕まれた腕を思わず振り払う。
びっくりした表情のバッツを見てハッとなった。

「あ…び、びっくりさせんなよ」
「わ、悪い」

捕まれた部分が熱い。熱くて火傷しそうだ。
バッツの顔がみれなくて顔を背ける。

「な、なんか今日ここの雰囲気違うよなー」
「…ジタンさあ」
「ん?なんだどうした?」
「最近変だぞ、なんかあった?」

俺に手を伸ばしたバッツに反射的に後ずさる。だめだ、だめなんだ。
声が震える。

「ジタン?」
「ごめ、…バッツ、俺に…触らないで」



(触らないで)

熱で溶けて俺が俺じゃなくなりそうで。
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