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煌めく星たちが、冬の澄んだ風に光を柔らかく捧げているように空は彩られていた。
ここから見ると、小さくて、でもほんとは僕なんかよりもとても大きい星の輝きを一つ一つ、線で結んで神話が生まれる。
それはまるで、たくさんある音符が五線譜の上で歌うように奏でられて歌になるかのようだった。

時折、灰色の雲が光を消してしまっても、銀河はいつもそこにある。そう、それは月も同じように。
他の星たちよりもいくらか、というよりすごく大きな月光は丸くなるのはいつだって一瞬で。
ふと空を見上げても、どこか月は欠けていた。それが僕はたまらなく寂しかった。
人は欠けている月を時には笑っているようだと揶揄するけれど、どうしてだろう。
僕には、泣いているようにしか見えなかった。

僕の名前にも月、があるからか、輝きを線で結んで、神様たちを形作って、それでもいつも月を探している。


いつも欠けてる、僕のもう一つの月。
ありがとう、とも、ごめんなさい、とも伝えられない。

ああ、せめて。
この星たちのように見えなくとも繋がっているように、音符なんかなくても歌えるみたいに。

「   」

僕は君を奏でるから。





allargando
(君のように、) (120714)
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