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-熱をもてあますのは必然だ-




「もしさあ」

夜も更けてきて、それはもう皆が寝静まるくらいの時間で俺たちもテントで横になっていて。隣で眠っていたと思っていたティーダは意外にもまだ起きていたらしい。
いつも真っ先に、とはいかないが寝るのは早い。前に「最後まで自分だけ起きてるのは嫌だろ、寂しいし。見張りは別だけど」と言っていたのを思い出した。

テントの中には俺しかいない。故に俺に話し掛けているんだろうが、俺は寝てないにしても目をつむっていたわけで。それでも俺が起きているのはわかったのだろう。変なところで勘の働くやつだ。

「どうした?」
「もしも、っスよ?もしも子供出来たらどうする?」
「子供?」

何をいきなり、とも思ったが考えてみればいつもティーダは唐突だったな。

「だってさあ、俺がもし女だったら、とか考えたんだけど」
「ああ」
「頻繁にセックスするわけじゃないけどその度に中出しするし、あ、でも後ろに精液出しても孕まないんだっけ?」

俺が絶句しているのを知ってか知らずか、ティーダは結構真剣な顔でなんともまあそんな言葉が出てくるものだ。俺にはできない、多分一生出来ないだろう。

「てゆーかさ、男の俺でもこんななのに、女の人ってもしかして服が擦れたとかだけで感じるのかな?」

俺に聞くな。俺は女じゃないしお前も女じゃないからそれは女性に聞かないとわからないだろう。いや、そういう問題じゃない。耳を塞ぎたい衝動にかられながらどうやって話題を変えようか必死に考えた。

「乳首とか多分やばいよな?俺もたまに服でうわってなるもん。フリオはなんない?」
「…え、さあ。どうだろうな」

「えー、なんだよそれ。あ、俺が開発してやろうか?」

くくっ、と心底楽しそうに笑いながらティーダは俺に寄り添ってくる。
ティーダから微かに香る甘い匂いと火照てっているくらい熱い体に心臓が跳ねたのは気づかれないといいが。

「俺、フリオに触られるとさ…体熱くなる」

熱の篭った吐息を感じてティーダの熱が移ったかのように俺の体の体温があがる。
いつの間にそんな状態になったのか、さっきまでそんな気配を見せなかったのに。いや、俺が気づかなかっただけなのかもしれない。

「それは…誘っているのか?」
「さあ、どうだと思う?フリオ」

普段からは想像もつかないほど、潤んだ欲情した瞳で色っぽく笑う。

ただ一つわかったことは、俺達は若いということだ。




(110611)
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