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-好奇心-



いつも思う。
たとえばイミテーションと闘ってるときとかたとえばカオスの連中と闘ってるときとかたとえばそう休んでるときも食べてるときもましてや寝てるときも思っているんじゃないだろうか。

握りしめた俺の相棒のようなこのリボルバーで仲間を刺して刻んで爆発させたらどうなるのだろう。生暖かい血で染まるのか。それは勘弁してほしい。血が嫌いなわけじゃなくてただ不快で気持ち悪い液体が体に付くのはどうも解せない。赤であったはずな液体は時間の流れで黒に染まる。黒は嫌いじゃないむしろ好きだがやはり血は好まない。それは俺がにんげんだからだろう。
仮にやったとしてあまりのことに、みんな動けなくなるのか。あるいは戦闘に特化された軍隊というべき集団は俺が仲間だろうと咄嗟に敵と見なすのか。それはないと確信する。たとえ俺が仲間でその仲間を殺しても動揺しないやつなんていない。多分俺も。
裏切りなんて当たり前だ。実際その場に居合わせたことはない。Seedは裏切ったりしない。ただそう教え込まれた、気がする。

Seed以外はあまり信用するな

あまりというのは曖昧で便利な言葉だが多少は信じないと仲間である意味がない。敵と見なしているのと同等。だから、"あまり"。
その考えは俺も思うことはある。

しかし今回の仲間に裏切り者などいないだろう。操られているかは別にして。もちろん俺も含めて。

ただ純粋に。
敵敵敵は疲れたたまには仲間を。
思考はいつもここで止まりこの考えはまったくもってなんの意味もないことに気づく。別に殺したいわけではないし俺は俺なりにみんなに愛着を持っている。

そう、興味。ただの興味だ。

俺は秩序の戦士。

ただ今はそうでなくとも記憶にない過去にこのリボルバーをきっと血で染めていただろう。それは敵はともかく仲間でさえも。
好奇心に負けた過去の憐れな俺がこの再生しない世界にいないことを祈る。祈るだなんてやっぱり俺はにんげんで俺はそなにんげんを殺せはしない(敵であるあいつらは一部を除いてにんげんじゃない。にんげんと血の繋がりがある彼らはなにをどう見たってにんげんだった)

秩序が混沌に沈む様は滑稽でさぞ愉快だろう。


でも俺はそんなのは見たくないので大人しく目を閉じた。







(110611)
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