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-金色のじゃれあい-



ジタンの髪は綺麗だと思う。金色キラキラで、触ったことないけど多分サラサラ。

銀髪も金髪も皆綺麗だ。でもジタンは髪が隠れたりしてないからすぐ目につく。
クラウドもそうだけど、クラウドは触らせてくれないからわからない。意外に柔らかかったりするのかなあ。
皆はジタンの尻尾を触りたがるけど、俺は髪の毛を触りたい。
ジタンは尻尾を触られるのは好きじゃないみたいだから髪の毛もそうなのかな、って勝手に遠慮してる。
でも前で歩いているジタンのつむじを見ているとやっぱり触りたくなる。
俺の髪の毛とは違って天然金髪だし。
別に触ってからどうこうするわけじゃないけどさ、女の子みたいに髪で遊んだりするわけじゃないもんな。

「…ティーダ、なんか俺についてる?」
「…うえっ?」

振り向いたジタンとばっちり目があった。ぼんやりと見てたからいきなり焦点があってビックリした。
ジタンがにやりと笑った。

「もしかして、俺に見惚れてたな?」
「…んー、まあそんなとこ?」

今度はジタンがビックリする番だった。けどなんだか照れ臭そうに『俺ってかっこいいからな』と言った。
ジタンはかっこいいより可愛いほうかと思うけど、中身は男前だからうんと言っておいた。

「ジタンはキレーだよなあ」
「はあ?」
「髪の毛。キラキラだ」
「ああ、髪の毛か。金髪だしな」

ちょいちょいとジタンは自分の髪を指で弾く。
触りたいなあ。もしかして俺髪フェチなのかなとジタンの髪の毛を見て思った。
太陽にあたって金色の髪の毛がキラキラと光を反射する。
やっぱり触りたくて、ジタンの髪の毛に手を通した。もしかして怒られるかな、と身構えたけどジタンはくすぐったいというように身をよじるだけだった。

「うお…やっぱサラサラだ」
「まあ身嗜みを整えるのも紳士の役目だろ?」

紳士といえばどうしてもおじいさんみたいなのを予想してしまい吹き出した。

「?なんで笑うんだよ」
「ふはは、いや、ごめん気にすんなって」
「…なんか馬鹿にしてねぇ?」
「え、ちが、あはは!違うッス、よ!ジタンは紳士だけど…紳士っていえばこう…おじいさんみたいなのしか思い付かなくて」

きょとんとして俺が笑った理由を誤解したらしいジタンにちゃんと説明する。
だってジタンはおじいさんじゃないからさ。
そう言ったらジタンも笑って綺麗な髪がそれに振動して揺れた。
いつかはこの金色も銀色になるのかな。
おじいさんみたいに。
そうなったら本当の紳士だ。
ジタンの髪の紐をしゅるりと解いた。

「え?なんだよ」
「今日一日ジタンそれな」
「髪の毛邪魔になるだろ」
「いいの!そのほうがキラキラしてる」

俺の行動に理解出来ないのか、不服そうに解かれた髪をいじる。

ジタンの髪を引っこ抜いて売ったら結構高く売れるんじゃないかと考えて、それはさすがに人道を外れるかなと思い直した。
思い直すもなにもやんないけどさ。
紐を取り返してこないあたり、髪が解かれたことにあまり気にならないのだろう。
と思ってたけど。

「…ジタン女の子みたいッスね」
「お前ちょっとやっぱ返せ」

極限まで嫌そうな顔をしたジタンは女の子には見えなかった。




(110611)
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