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雨に濡れて帰ってきたエリオットは、それはもう清々しい表情で。
玄関から出た気配がないから窓から飛び込んだのだろうが、そんなことも怒るのも忘れてしまいそうだ。
でも、僕を見た途端、しまったという顔をしたのは見逃さない。
怒られると思ったのか、えーと、とかあーとか呟いてたけどとりあえずタオルでエリオットの頭をわしゃーっとした。

「エリオットがすっきりしたのなら、それでいいよ」
「あ?」

エリオットが大人しいのをいいことに結構乱暴に拭いたら頭が爆発してた。

「でも、玄関のカーペット濡らさないでね。あと頭が大変なことになってるよ」
「…これはお前のせいだろ」

らしくもなく、悩んでいたようだから。

「…雨は、流してくれた?」
「……さぁ、わからねぇ」

…あ、久しぶりに素直な笑顔を見た気がする。
彼の中での葛藤がなんなのか、どう結論付いたのかさすがにわからないけどこの笑顔を見れるなら、僕は何でもしたいと思った。
彼自身は気付いてないけれど、エリオットはこのナイトレイの光なんだ。
たとえ闇に染まろうとも、光を見失わないだろう。

「ともかく、早く着替えないと風邪ひくよ」
「そうだな」

タオルをエリオットに手渡して部屋に向かう。
途中ずぶ濡れエリオットに気付いたメイドさんが予想以上に慌ててエリオットがそれにびっくりしてたのは面白かった。

彼は光を見失わない。
断言できるほどの強さが彼にはある。
エリオットに一生ついていこうと、僕の従者精神がアップした思考でそう思った。



Not.センチメンタル

(従者精神レベルアップ)
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