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-空色の。-



空がいつにも増して青々しい。

という表現は如何なものかと自分でも思うけど、いつもの青より青なのだからあながち間違ってもない気がする。
雲がない快晴だからかもしれない。
そういえば今日は夏至だったっけ。
ふと、午後から別行動の主を思い出す。
調子が悪いから休んでくる、と言ってから午後の授業には出ていない。
それは、エリオットにしては珍しくて。
しかも保健室にも寮の部屋にもいないものだからこうして探しているのだが。
また眠れてないのかなと思いを馳せながらある場所へと足を向ける。

図書館にもいないのだから、多分あそこにいるだろう。

「…やっぱり居た」

大きな木の下の、夏でも涼しい場所。
木にもたれてエリオットが眠っていた。
静かで誰も来ないところだから、結構いい穴場だ。

「…うーん」

もう放課後だから起こそうと思ったけれど、気持ちよさそうに寝ているところを起こすのは気が引ける。

気長に待ちますか。

エリオットの隣に座って上を見上げる。
空もいいけれど、僕はエリオットの瞳の青のほうが好きだなぁ。
気持ちよさそうに眠る主の隣で、木々の音を聞きながらというのも悪くない、かな。
エリオットが持っていた本で暇つぶしでもしようか。

あぁ、でも。


空が朱くなったら叩き起こそうか。








(…おい、リーオ)
(…あれ、僕寝ちゃってた?)
(もう暗いし、そろそろ戻るぞ)
(…寝起き見たかったのになぁ)
(ん?)
(なーんでも。行こうか)
(…?)






(110611)
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