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※前サイトの



いい朝だった。
涼しげな風で揺れるカーテンの隙間から覗く青い空。
朝といっても、いつも明け方帰ってくる俺にとってはなので、多分10時くらいだろう。
まぁ、ともかく、こんな時間でも俺がこんな早く気持ちの良い目覚めが出来たのだから、二度寝なんて勿体無い 。
これは起きなければと意味不明な確信を自分の中で得て、俺は体を起こした。

主婦というものは朝早く起き、ある者は弁当を作り、 またある者は掃除やら洗濯やらをこなして、午前10時くらいには一息付くらしい(八戒談)
あいつはどこの専業主婦かといいたいとこだが、洗濯や食事までやってもらってるので別に意義はない。

ただ、ただ静が過ぎると感じただけだ。

テレビの音が聞こえるからいるのだろうけど。

「八戒ぃ…?」

ドアを開けながら呼びかけてみる。

「あ、悟浄おはようございます。今日は早いんですね」

にこやかな挨拶が返ってきた。
何故か逆さから。
何が逆さって?

「…な、何してんの」
「いやぁ、これ結構キツいですよ。やってみます?」
「…結構です」

八戒は仰向けで背中を剃り、両手両足で体を支えていた。
つまりはブリッチの格好だった。
なんでそんな格好してんのかって?
知るか。そんなん俺が聞きたい。
朝っぱらからブリッチする主婦がいるか。
「久しぶりにやってみたくなりましてねぇ。これで歩くと物凄く気持ち悪いじゃないですか」
「まぁ、確かにおぞましい光景ではあるな」
「長時間やると頭に血がのぼって気持ち悪くなったりして、いいことは無いんですけど、なんだか好きなんですよねぇ」

変なやつとは思っていたが、思ったよりも結構な不思議ちゃんかもしれない。

「あ、朝ごはん作ります?」

そんな格好で言われても。

「いただきます」
「はい、じゃぁ今…あれ、」
「ん?」
「…戻れなくなりました。悟浄助けて下さい」
「…お前ね」

俺の清々しい朝を返してくれ。







(110610)
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