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今日は皆よりも早く起きた。
ここの宿は暖房が付いてなくて、朝になったらめっちゃ寒かったから、目が覚めた。 暇だし、お腹空いてたけど朝飯までまだまだだから、最初に三蔵のとこに行った。
そしたら、毛布に包まって芋虫みたいになってた。

三蔵は寒がりだから俺よりも寒かったんだと思う。
起こしたら不機嫌になるから、そのままにして次は八戒のとこに行った。

物音がしないから、皆起きてないと思うけど八戒ならもしかして起きてるかも。
八戒もひえしょう?だから、多分寒くて起きてると、思う。

でも八戒の部屋は、鍵が開いてて中に八戒も、八戒の荷物もなかった。
あれ、どこ行ったんだろ。こんな時間から買い物のわけないし。

…部屋間違えたのかな。

次は悟浄のとこ行ってみた。
当たってますように!
やっぱり鍵が開いてた。
八戒が言うには、悟浄は鍵をあんまり付けないらしい。

そーっと中に入ると、予想通り赤いのが寝てた。
でもなんか、もう一人いるっぽい。
近いて見ると悟浄と八戒が一緒に寝てた。二人ともでかいから、なんか狭そうだった。
悟浄は体温高いから、八戒が潜り込んだのかな。多分。

暖かそう。

そういえば三蔵寒そうだったなぁ。
ぶるっと身体が震えた。

八戒は悟浄にピッタリくっついてる。
俺がきても起きないから熟睡かなぁ。

寒い、なぁ。
俺も誰かと寝たらあったかくなるかな。
そうと決まったら向かう所は一つ。
さっき来た部屋の前に来た。物音がしないからまだ三蔵は起きてないみたい。

廊下は寒いから、すぐに中に入った。
三蔵はさっきと同じ格好でベットの上にいた。
三蔵はいびきとかする方じゃないからとっても静かに眠る。
眉間にしわが寄ってないからお人形さんみたいだ。

「三蔵。三蔵ってば。」

返事はない。こっちも熟睡みたい。
まぁ、いいや。
駄目って言われても一緒に寝るつもりだし。
三蔵が全部の毛布を使って包まってるから、おもいっきり引っ張った。
そしたら少し目が開いた。

「……何、してんだ。テメェ。」
「寒いから一緒に寝ようかなって。」

三蔵も寒いはずだから、拒否はしないと思う。
俺は体温も高いし、一緒に寝たことは何度かあるから。
ほとんど俺が潜り込むんだけど。

「……ん。おらよ。」

三蔵が俺の分のスペースを空けた。そのスペースに横になると毛布をかけてくれた。中は三蔵の体温でぬくぬくしてる。
三蔵のほうを見ると、もう寝息を立てていた。
なんか、俺も眠くなってきた。
目を閉じる前に見たのは、昇ったばかりの太陽だった。






(110610)
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テーマ「人外ファンタジー」
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