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※前サイトの



知らない こんな感情
知らない こんな想い
知りたくなかった
つかまれた手首から伝わる体温。

土足で勝手に人の心に入り込んで
ぐちゃぐちゃに掻き乱していく

でも、僕は知ってる。

その唇が、
僕以外の人にも愛を囁いていることも。

その掌が、
僕以外の人にも触れていることを。

それを、僕は知らない振りをする。
見ていない振りをする。
どろどろの嫉妬を、
どす黒い独占欲を、
情けない、ちっぽけなプライドを守るために

僕は知らない振りをする。
見ていない振りをする。

あんなに始終読んでいた本が、内容が、頭をすり抜けていく。
サラサラと 花の香りを乗せた風が、髪をなびかせる。
そろそろ 彼が 来る 。
このまま、このまま時間が止まってしまえばいい。
そうすれば永遠に、彼に会うことはない。
あの行為が繰り返される度、
心が
身体が
歪み、軋んでいく。

快感に溺れるための行為
その快感さえ、僕にとっては苦痛でしかなくて
頬を伝う雫を 汗だとごまかして

近づく 足音 。

また、あの唇で愛を囁くの
また、あの掌で僕に触れるの

静寂に包まれた部屋に響くドアを小さく叩く音。

あぁ、
誰か
だれか
いっそ何も考えられなくなるくらい


僕を壊して








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