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※日記ログ


年頃の男子が集まれば自ずととある話題が出てくるものだが、レン、トキヤ、翔の三人の場合はあまり馴染みのある会話ではなかった。

トキヤは口に出さないためその心情は定かではないが、そもそもの性格故に友人たちと気軽に話すようなことはしたくないと考えているのかもしれない。

レンはフェミニストだと自他共に称されておりその通り名に恥じず穏やかに彼曰くレディたちに囲まれているわりにはそのような会話をしないし加わらない。

翔はまさに年頃ど真ん中だがそれ故に気軽に話題にするには恥ずかしいのもあり、何よりよくつるむ二人から全くそのような話にならず自分からは言い出しにくいと思っていた。

「んで、やっぱ実のところどうなんだ」

しかしやはり気になるのはその事情。その状況下ではやはり翔から満を辞して口に出した。

つまりは、シモのほうはどうだ、ということである。

「うーん…こういう話あまりしないんだけど、たとえば週何か、とか?」
「いや、それもそうだけどさ」

翔と那月の部屋でクッションを抱えながら翔はやっと男らしい会話に、所謂ボーイズトークに潜り込めたと自分を誉めてやりたかった。
だがここにいる、翔含め全員の恋人は同性だ。しかしゲイではない。決して。と誰に言い訳をしているのか定かではない呟きを心に落とし翔は続きを促す。

「まずはさ、お前らタチ?それともネコ?」
そう、同性が恋人という特殊かつ異形とも呼べる状況の友人が三人も集まっているのだ。やはり気になるのはそこだ。

「そういう翔はどうなのですか、やはり四ノ宮さんが相手ですし」
「まあ、大体は俺がネコだな。逆もあるけどやっぱあんなでかい図体だと押しきられるっつーか」
「そうだよね、こちらも男なんだしたまには、というより常日頃こちらが上になりたいと思うよね」
「ということはレンもネコ側ですか。正直意外ですね。貴方はタチのほうかと」
「オレもそう思っていたんだけどね。で、イッチーは?」
「そうですね、半々といったところでしょうか。私がリードしていてもいきなり形勢逆転されてしまったり、その逆であったりもします」

自室であるため自分のベッドに座っている翔とは違い、レンは那月のベッドに寄りかかり、椅子に座っていたトキヤは二人の手招きによって翔のベッドへと腰を下ろした。

話している内容と、受け入れる側が大半のわりにはそこは男子らしく淡々としていた。

「なんというか、イッチーのところが理想って感じかな。オレたち一応ゲイってわけでも、どうしようもなく抱かれたい側でもないし」
「まあなー。男女みたいに関係はっきりしてないし、他はどうかわからないけどさ」
「そもそもどうしてオレがネコなんだろう普通逆だよね?」
「普通がどうかは、私たちの関係は普通ではないですからわかりませんが、私は貴方なら抱けますよ」
「…オレもイッチーなら抱けるよ」
「はいはい何告白大会してんだよ。あ、でも」
「どうしましたか?」
「俺さ、那月ん時はまあネコが多いけど、砂月だともっぱらタチだな」
「え、それどこから突っ込めばいいの?ブラックのほうともヤってるの。そしてブラックはネコなの?」

レンの言うブラック(シノミー)、そして翔の言う砂月の顔を思い浮かべたトキヤはなるほど人格によってもネコかタチかは別れるんですねという的外れなことを考えていた。

「あー、…なに、おチビちゃんたちタチ経験あるの」
「まあな」
「そうですね」
「レンはないのか?」
「なんというか、女性相手だったら当然タチということになるんだけれど、同じようにあいつに接したら何故だが最終的にオレが下になっているかな」
「一応お前も聖川を抱きたいとは思ってんだな」
「それは、当たり前だろう。というよりどう見たってあいつがネコなのに…」

それからレンがいつか真斗を抱いてやると決意したのを知ってか知らずか、トキヤと音也の部屋で那月、音也と共に勉強をしていた真斗の背中には言い様のない寒気が走った。

レンが真斗を抱くという日は案外近いかもしれないが、それはまた別のお話。





Brillante risoluto
(秘密の集会)




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