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あいつを見ると、俺の中のどす黒い感情が疼くのがわかる。
あいつの怒った顔を見ると、壊したくなる。
壊したくてたまらない。その綺麗な顔を、苦痛と屈辱に歪ませたい。
俺がそんなふうに思ってるなんて土方君は考えもしないだろう。
泣いて、叫んで。俺だけをその漆黒の瞳に映して。
俺の事だけ考えればいい。
土方君の頭を、俺でいっぱいにして。
他の事なんて考えられなくなるくらいに。
縛って、鎖を付けて、監禁したら俺のものになってくれる?
それとも土方君の心の中にいる沖田君やゴリラがいなくなればいいの?

その白い肌に、赤い印を付けて。
俺だけの証を刻み付けたい。
そうすれば俺の事見てくれる?
その漆黒の髪も、白い肌も、真っ直ぐな光を宿した瞳も。低く、存在感のある声も。全部手に入れたくて。

ねぇ、どうすれば振り向いてくれるの?


伸ばしそうになる手を、必死に握りしめて。
好きだよ、と口に出そうになるのを我慢して。
何もない振りをする。

俺は、今日もまたあいつの後ろ姿を見送る。
色んな衝動に駆られながら。



愛してる。壊したくなるくらい。



(110610)
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テーマ「人外ファンタジー」
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