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いったいいつからだなんて、問いかけても答えなど返ってきやしない。だってその答えを持っているのはオレだけのはずで、そのオレ自身に聞いてみても「わからない」としか言いようがない。忘れているのか、忘れたいのか、それすらも「わからない」のにこの問いは無駄でしかなかった。そもそも、答えを知ったところでどうにもならないし、知ろうとも思わない。ただ不意に聞いてみたくなるのだ。オレ自身に。
なあ、いったいいつからなんだい。
永遠に解けることのない問題は、さして意味がないことには気付いていた。それこそ自分が息耐える年齢を知ったからってどうしようもないように。ああ、でも、知っていれば少しはあがける。予想が出来る。未来のことであれば。
オレが向けた言葉は過去にある。過去にあるからといって、それこそどうにもできない。無意味の真骨頂だ。
なあ、いったい。
そう、無意味なのだ。この問いかけも、お前への気持ちも。

いつから、聖川を好きになった。

強いて言うならば、その過去に戻ってその瞬間ごとねじ曲げたかった。無かったことに、最初から存在しなかったように。

そんなことが出来るはずもないから、またオレは無駄な言葉を自分に吐いて何度目かわからない結論に達するのだ。
「わからない」
曖昧なそれに、気持ちも曖昧のままでいてくれたらと願ってはそれごと鍵をかける作業に入る。その鍵はあちこちに落ちていてすぐに開けられてしまうから、その度に同じことを繰り返す。疲れるんだ、意外とこれは。
無駄無駄無駄。
だからお願いだ聖川。

その可愛い寝顔をオレから隠してくれ。

何度オレの鍵をつけた扉を蹴破るのかと口に出すわけにはいかず心の中だけで罵って、シーツにくるまう。
早く朝になって、一緒に眠気がこればいい。夢の中でだけは、あいつは一切出てきたことはない。


(夢へ逃げる)

逃げて、
逃げて、

それでも追いかけてきたら、どうしよう?



(131205)
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