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凛の手が離れる。どうしていいかわからない。凛の顔を伺おうにも、目隠しされてちゃそれも出来ない。
どくどくと脈打つ振動が手のひらから伝わって、息をつめる。凛は動かない。わんが、自分やらないと辛いだけだ。ゆるゆると、一人でやるときよりぎこちなく手を上下動かす。
見えなくてもわかる、凛の視線。

「…ん、ん…っく、…」
「…裕次郎、えっろ」
「うる、さ…やー、が……っ…」
「オナニーのときもこんなエロい顔してるば裕次郎。やらしいさあ」

何かを言おうとすれば、わんのものじゃないような変な声まで出そうで反論出来ない。
やーがいるからやっし。心の中でだけそう呟く。違う、と頭を横に振っても多分凛を喜ばせるだけだ。わんが、喋れないのを知ってて話しかけてくる。それでも、手を止められない。
ぐちゅぐちゅと動かす度に聞こえる。耳を押さえたくても、もう片方の手は口に当てていて、それは叶わない。
目隠しされて、凛の前で一人で。これじゃ、わんが変態みたいさあ。
せめてその音が聞こえにくくしたくて凛の肩に寄りかかるように顔を埋める。

「…ふ…、んっ……っあ、…ぅ…」
「…っ、」
「はあ、は、…ぁ…りん、りん…っ」
「…裕次郎、後ろはいいばあ?」
「ぁ、っ?や…ひう…っ!」

いきなり後ろを触られて、体が跳ねた。また、さっきみたいに撫でるだけで、もどかしい。

「後ろもやらんと、わんのが入らんよ」
「あ…っ、や、りん。わん、後ろは…っ、やったことない、」
「大丈夫よ。わんがいつもやってるみたいにやればいいんど。わんはいつも、どうやってる?」
「指…を、…濡らして…」
「それから?」

それから。それから凛はいつもどうやっていたか。手はもうきっとわんの唾液で濡れている。
熱い。体も、頭の中も全部。耳元の凛の声に導かれて後ろに手を伸ばした。

「…う、あ、あ……」
「そのまま動かせ」
「ん、っふ、あ…っ…」

力を入れなくてもはいっていく。指が火傷しそうなほど熱い。わんの中とは思えない。思いたくもないけど。
指一本じゃ足りなくて、指を増やす。凛はどうしていたっけ。ぼやけた頭で考えても、ちゃんとまとまらない。

「ばらばらに、動かすばあよ」
「…ひ、っあ…、んんっ……」
「…っは…裕次郎、気持ちいいか?」
「り、ん、…やっけ、きもちい、きもちいい…りん…ぁ、もっと、りん」

前からも後ろからも水音が耳に入る。けど、もうそれすら快感になる。凛がやってるように、凛がするみたいに。そう思うとわんじゃなくて凛の指のように感じる。でも、中にあるいいところにどうしても当たらない。わんじゃ、届かない。

足りない。足りない、もっと。凛がほしい。

「わんは動かんよ。裕次郎が、自分でやるんど」
「…、わん、が…?」

わんがやらないといけない。
熱い、気持ちいい。だけど足りない。わんの指だけじゃ満足出来ない。
熱でくらくらする。わんの体も、凛の体も熱い。のぼせたみたいだ。
凛の体に手を滑らせて、ベルトを外す。わんは凛に脱がされてシャツしか羽織ってないのに凛自身は乱れてない。しに腹立つ。でももうそんなものはどうでもいい。
震える手じゃ、上手く外せない。早く。焦る気持ちがどこかにあるのかもしれない。
やっと外して、遠慮無く下着を下ろす。凛もわんにいきなしやったし、お互い様さあ。するりと触れてみると既に固く、ついでに大きくなっていた。
わんが気づかなかっただけで、凛も同じようなことをしていたのかな。
腰を上げて、体を支えるように凛の肩に手を付く。

「裕次郎、ゆっくりでいいさあ」
「…っん、く…ぁ…っ」
「っ、…ぁ、きつ…」

入り口にあてがうように、腰をあてる。ぐちゅ、と音をたてて、はいりこんでくる。
熱い、凛のは熱くて、息が詰まる。少し入れば、もう最後まではすぐだった。

「…っ、あ、は、ぁ…ぅ、はい…った…?」
「ん、裕次郎、動けるか?」

凛の荒い息が、耳を掠める。興奮してるのかな。相手が同じ状態だと、嬉しい。わんも凛で興奮してる。

「っあ、あ…っ、んあ!」
「…んっ、裕次郎」
「ひぁっ!や、りん、うごかな…っで、っひ、あ」

腰を動かす。熱い、熱くて、何がなんだかわからない。目の前が真っ暗なせいで、なにもわからない。
喉から甲高い、わんのじゃないみたいな声。それがいやなのに、どうしらいいかさえも、わからない。気持ちよくて、死んでしまいそうだった。自分で動かしているだけでも死にそうなのに、こともあろうか、凛は勃っているわんのを掴んだ。

「や、やめ、ふ、ぁっ!りん、あ、…や、だ、りん」
「なんで、よ。気持ちいいやんに?」
「あ、あっ、や、…っあ、でちゃう、から、や…っ、あ」
「いいさ、イけ」

先端をぐり、と爪でされる。あ、やばい。

「…っ、あ、ひ、っああああ゛ぁああ」
「っ、く」

中にある凛のが、どくんと脈打って熱い液体が放出される。そのせいで、また体がびくびくと反応してしまう。それに耐えるように、凛に体を預ける。触れた肌が心地好い。いつの間にか、わんもイってたらしい。腹にも、熱い液体でべったりと濡れていた。

「早かったんやー、裕次郎」
「…やーもやっし」

声も掠れて喉も痛い。だから声出すのは好きじゃない。凛に抱きついていた格好のまま、見上げてから、まだ暗闇だったことに気付く。

「凛、これ」
「ん?」
「外して、凛の顔見れない」


凛の手がわんの頭の後ろに回る。しゅるりと目隠しほどけて久しぶりの光に目を細める。やしが、すぐに慣れて凛の顔が見れた。目隠しに使っていたのは、どうやらネクタイだったらしい。わんの涙とか、色々な液体で濡れていたけど。これはわんのせいじゃない。
改めて見るとわんも凛も、凄い格好だった、けど。
汗で長い金髪が肌に張り付いていた凛は慈しむような目で、わんを見てた。

「どうだったか、目隠し」
「…ん。やっと、凛の顔見れたさあ。わん、やっぱり凛の顔みてやりたい。目隠しされても、凛の手とか凛の声とかわかるけど。やしが、凛に、抱かれてるって感じたい。…っぁ、ちょ」
「やー、わざとか」
「な、んで、また大きく…っ!」

イったばかりで、体は怠くて敏感になってるのに、まだ入ってるのがまた大きくなった。びくん、と体が跳ねるわんに、凛が耳元に口を寄せてきた。

「わっさん、裕次郎。もっかい」
「っあぁ、ま、りん…っ、ひ、ぅ」

どうやら、わったーの夜はまだ終わらないらしい。
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