「こんばん、は…」

「……来たのか」

「…はい」


月光だけが部屋を照らす夜。俺の部屋には俺が待ってやまない想い人のゴールドが佇んでいた。
今日は俺以外にこの家にはいない。祖父は遠くの地へ学会の為に赴き、姉は城で行われるダンスパーティへと招待され、帰りは朝になると言われていた。
だからこそ、俺は今日と言う日に勝負を仕掛けたのだ。

来てくれた嬉しさを押し隠しながら、未だ部屋の入り口で佇むゴールドの元へ歩み寄る。
目の前で足を止めれば、肩をびくりと揺らしながらこちらを不安そうに見上げるゴールドと目が合った。


「来たってことは、これから俺がしようとしてること分ってるってことでいいんだな?」

「はい、……」

「お前も俺のことが好き。ってことでいいんだな?」

「…はい」

「っ!」

「あっ!?」


とうとう気持ちを抑えることが出来ず、ゴールドの腕を引き部屋の奥に設置されたベッドの上へ放り投げた。
彼の倒れた身体の上へ馬乗りになるように跨り、そして彼が体制を整える前に衣服を乱暴に肌蹴させていく。


「あ、ちょ…グリーンさ、…ま、待って」

「悪ぃ。待てそうにない…っ!!」

「んぅっ?!」


案の定俺の暴走を止めようと静止の声を掛けるゴールドに一言詫びてから、それ以上の言葉を紡がれる前に彼の唇を自身の唇で塞ぐ。
驚き目を見開く彼の空いた口の中へするりと舌を潜り込ませ、自身と彼の舌を擦り合わせれば、彼の身体がびくりと跳ね自身の下腹がずくりと疼くのを感じた。
キスをしたまま、服を脱がす手を止めずに上着のボタンを総て外したのを確認してから、唇を離す。
離した唇からは互いの唾液が繋がって銀糸となり月の光に反射してぬらりと光った。


「ゴールド……」

「はぁ、はぁ…グリーンさ、ひぁっ!」


慣れないキスで息の上がったゴールドの名を意味も無く呼びながら俺は眼下に広がるゴールドの健康的な肌を眺めた。
いつも屋根の付いた店の下で商売をしているから白いと思っていたのだが、適度に小麦色に焼けておりそれが妙に生々しくて俺の鼓動はさらに高まった。
そしてその小麦色に焼けた肌の頂の上でツンと主張をする胸の飾りへ手と舌を這わせば、彼の口からは甘い嬌声が飛び出した。
そのことに彼も驚いているのだろう。顔を赤くさせて口を塞いでしまったので、俺は彼の片方の手だけを捕まえベッドヘッドに布で固定した。


「あ、…何するんですか、グリーンさ…ひぁぁっ!うあ、ああっ!!」

「口、塞ぐな。…声が聞けないだろうが…」

「だって、恥ずかし…んぅぅっ!」

「恥ずかしいことしてるんだから当たり前だろうが。それに、声を出してくれた方が感じてくれてること確認できるし、その方が燃える」

「ひぁぁぁぁぁっ!!」


そう言って未だ恥じらう彼を黙らせるように片方の飾りを抓れば、先ほどよりも甘い嬌声が上がり部屋の空気を一気に淫靡にする。
きちんと感じてくれているのだと思うと嬉しく、俺はもっと違う反応が見たくて今度はもう片方の飾りへ舌を這わすと、彼は面白いほどに身体をくねらせ甘く啼いた。


「いや……そこ、だ、めぇっ!!」

「こんなに感じてるのにか?」

「いぁっ!…そこ、で、喋らな、でぇ……っ!!」


乳輪を嬲るようにねっとりと舐めあげ甘噛みすれば、彼は一際大きく啼き、彼の口からは飲み込めなかった唾液が顎を伝って流れていくのが見えた。
大きすぎる未知の刺激に身体がついていかないのだろう。彼は生理的な涙を流しながら身体全体で快楽を享受している。
そんな彼の痴態もまた俺の下腹を熱くし、理性を大きく揺さぶるのだ。


「グリーンさ、……グリーンさ…っ!」

「なんだよ……っ」

「下が…熱い、んです…っ。苦、しい……っ!!」

「ここ、か…?」

「んぁぁぁぁぁぁっ!! ……そこ、熱、い…」

「…っ!」


熱いと言われたそこへ視線を落とせば、そこには控えめに、けれど明確に存在を主張するゴールドのモノがあった。
今にもズボンを破いてしまいそうなほどそそり立ったソレに触れながら聞き返せば、彼はギュッと目を瞑ったままこくこくと激しく頷いた。

彼の了承も無しにズボンの前を寛げて、下着をそっと下せばそれは先走りの液を流しながら俺の目の前へ現れた。
その液は彼の臀部へ向かって流れており、臀部は物欲しそうにヒクついていた。
それを見てしまったからなのだろうか。優しくとか甘くとか、ゴールドが来る前まで色々なシチュエーションを考えていた俺の理性は砕け落ちた。


「腕、解くから起きろ」

「え……?な、なんですか…」

「俺の身体に跨れ」


拘束していた彼の腕を解放し、起き上がらせてから不安そうに俺を見つめるゴールドを身体の上へ跨るようにして座らせる。


「ひぅっ?! …な、何…?」

「ローションだ。初めてでも痛くないようにと思って…」

「痛くないように…?」

「男同士はな…ここに、」

「ひっ!?」

「挿れるんだよ…」

「そん、…な、……」

「だから、痛くないように今から慣らすから…な?」

「…は、はい…」


ベッドの横に備え付けてあった机の引き出しの中から、潤滑油と呼ばれるものを取り出し、ゴールドの臀部へ垂らす。
その冷たさに驚いたゴールドが声を掛けてきたので、説明をしながらヒクつく秘部の入り口へ指を当てると、彼は信じられないといった表情で此方を見つめるものだから、これ以上不安にさせないようにと優しく宥めながら先の行為へと行動を移す。
臀部にまんべんなくローションを塗り、ぴたりと指を当てれば彼の口からヒュッと息を呑む音が聞こえたが、俺は構わず指を押し進めナカへと侵入した。


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