※シゲルがちょっと鬼畜っぽい
※最終的には甘い
※ヤってるので背後注意





「シゲルさん…」

「いいよ。入っておいで」


誰もが寝静まる夜、オレはシゲルさんの部屋の扉を控えめにノックした。
中から聞こえた冷ややかなシゲルさんの声に不安を覚えながら、オレはゆっくりと扉を開けた。


「失礼…しま、す」

「遅かったね。ま、来てくれたからいいけど。…“アレ”もちゃんと付けてきてくれた?」

「はい…」

「ここからじゃ見えないよ。ほら、ぼくの傍まで来て」


中に入ったオレを出迎えたのは、椅子に腰かけたシゲルさんだった。
椅子の後ろに見える彼が今まで向かっていただろう机の上には、彼が研究している資料などが置かれていた。

彼はオレが姿を見せるとにこりと微笑んだが、目だけは笑っていなかった。

昼間の彼と違った印象がそこにはあり、オレはなかなか彼に近寄ることが出来なかったが、それに痺れを切らせたのだろう。言い方は柔らかいが、有無を言わせぬ声音が鼓膜を震わせる。

本当は今すぐにここから逃げ出したかったが、これ以上彼を刺激させるわけにもいかないので、オレは駆け足気味に彼の傍へ寄った。


「本当に付けてきたんだね…。変態」

「……っ!! だって、シゲルさんが…」

「そう。ぼくが言ったんだもんね。『首輪を付けて来い』って」


そう言って彼はオレの首に嵌められた赤い首輪を見て妖艶に微笑む。
この首輪は、シゲルさんがオレに与えたもので、彼に夜呼び出される時は決まってコレを付けて来いと言いつけられていた。

シゲルさんはそれを付けたオレをみてまた満足そうに笑み、さらに赤い光沢が輝く首輪に繋がれているリードを引き、互いの顔を近付かせた。


「んっ?! …んあ…」

「ん…」


椅子に腰かけたシゲルさんに覆いかぶさるように、口付けを交わす。

ただでさえ上半身が前のめりになっている辛い態勢なのに、彼はオレの口を強引にこじ開け、舌を絡めてくる。


「んんんっ!! ……っ」

「…っは、やりにくいな。ケンタ。ここに座って」


ポンポンと彼は自分の太腿を叩き、座るように促す。勿論、リードは引いたまま。
いつもはケンタ君。と呼ぶ柔らかな声が、凛とした男の声に変わりオレを呼び捨てしたことに、やはり今日もか。とオレは気分が沈んだ。

オレを呼び捨てにする時の彼は、いつもの紳士的な態度と打って変わり、獣の様に荒々しくなる。

そんな時は決まってオレが無理を強いられることになるのだが、逆らうと今よりももっと酷い目に会うと学習したのはいつだっただろう。

それ以来、オレは彼に抵抗することを止めた。だから、こうして座ることを促された今も、素直に従うしかなかった。


「座り…ました」

「いい子だね。じゃぁ、今度はキミからキスしてよ」

「そんな…っ!」

「今まで何度もしてきただろう?ほら、早く」

「〜〜〜〜〜っ!!」


恥ずかしさに顔を赤くしたって何も変わらない。

そんなこといくら頭の中で分かっていても、これから先の行為を思うと赤くせずにはいられなかった。


「ねぇ、早くしなよ」

「!! …は、はい。……んぅ」

「ん…」


トーンを落とした低い声で言われ、羞恥を覚悟の上で口付ける。
シゲルさんが口を開き、オレはそれに答える様に舌を彼の口腔へ侵入させる。

舌が絡まり合い部屋に響く水音が、ひどく卑猥だった。



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