※♀ナオキくん ※百合スイナオ ※背後注意 「ん……ふぁ、…や、ん…」 「ふふっ」 ちゅるりと、互いの舌が絡まり合って卑猥な水音を立てる。 強引に口を割り侵入してきた舌は、歯列や上顎を擽るように優しく、激しくなぞっていく。 回数を重ねても慣れないその行為に、次第に呼吸もままならなくなってきたナオキが頬を赤らめ、顔を羞恥に歪ませながら喘ぐ姿を見ても、目の前の少女スイコは妖艶に微笑むだけでその行為を止めようとはしなかった。 二人の少女がこの淫猥な行為に耽っている場所は、ナオキの通う宮地学園と同じくらい名門の福原高校にある部屋の一室で、スイコに与えられた部屋でもある。 その部屋に訪れたのは、そもそもこの行為が目的では無かったはずだと、ナオキは熱に浮かされる頭で必死にここまでの流れを思い返していた。 『時間、作ってもらえるかしら?また熱血くんとファイトがしたいの』 そう言ってナオキがスイコに頼まれたのがつい先日。アイチ率いる宮地学園CF部が福原高校へ偵察をしに訪れてから数日が経ってからだった。 かつて福原高校にてファイトをした際にスイコに完膚なきまでに叩きのめされたナオキは、ここでリベンジファイトだと意気込みその誘いに乗り、単身福原高校に出向いたのである。 最初こそアイチ達も一緒に行くと言っていたのだが、スイコがナオキだけ来るようにと指名したので丁重に断ったのだ。 その際にスイコの妹であるコーリンが顔を歪めた状態でナオキに近付き、一言「気を付けなさいよナオキ」と言っていたのが妙に気になったのだが、その意味が今になってやっと理解できたナオキは自分の鈍感さを呪った。 出向いた先でナオキを迎えたのは、彼女を直接指名したスイコ自身で、通された部屋で二人はすぐさまファイトをした。 トリッキーな動きをする“エンジェルフェザー”の使い手であるスイコの戦略に、ヴァンガードを初めてまだ日の浅いナオキがそう簡単にリベンジ出来るわけもなく、結果はすべて黒星。惨敗であった。 けれども決して自棄にならず、一戦を終えるごとに自身の行動を省み、次のファイトを申し込んでくるナオキに感心したのだろう。ファイトは一時中断。デッキの見直しを手伝うとスイコが申し出て来てくれたのだ。 ナオキ自身、より強く楽しくヴァンガードをする為なら例え年下にでも指導を請う真っ直ぐな性格の為か、彼女の提案を喜んで受け入れ、ファイトスペースから少し離れた場所で組んだデッキを広げ、アドバイスをもらっていた。 それからクランの特性、ユニットの特徴など、スイコには詳しく指導してもらえた。初対面の際、なぜ彼女があそこまで怒っていたのか不思議なくらい、今のスイコは懇切丁寧にナオキへヴァンガードを指南してくれたのである。 『やった!出来た!ありがとな!』 そうして彼女の助言のもと、再構築されたデッキを前に満面の笑みを浮かべスイコへと礼を述べた際、彼女は柔らかな笑みを浮かべたまま、こう言ったのだ。 『どういたしまして。お礼はそうね…あなたでいいわ』 『え…?』 そうしてその言葉の真意を理解する前に、ナオキとスイコの唇は重なり合い、今の状況に至るわけだ。 ふわりと重ねられた唇にナオキの思考は完全に停止し、手から落ちたカードが床に散らばったことにも気が付かなかった。 だが、呆然と立ち尽くすナオキの意識を戻したのは、スイコがナオキの開いたままの口内へと舌を差し入れた時だった。 「んっ?! や、…なにす…っ!ふぁ…!」 もちろんすぐさまナオキはスイコを押し退けようと彼女の肩を掴んだ。しかし、それよりも先に行動を起こしたのはスイコの方だった。 スイコはナオキの方へと体重を傾け、ナオキを押し倒すようにしてゆっくりと床へと倒れ込んだ。 ナオキの上へと覆い被さるようにして倒れたスイコは、ナオキが逃げ出さないように自身の全体重を掛け彼女を身体の下へ拘束し、口内の凌辱を続ける。 くちゃり、ぐちゃりと、次第に水音を大きく響かせて重ね、嬲られる舌と聴覚に、動かない身体と思考は次第に抵抗の意志を弱め、ただただ唇の隙間から小さく呼吸をすることで精一杯になってしまっていた。 「顔、真っ赤になってるわよ。…本当に可愛いわね、あなたは」 「んぁ…っ!あ、…あっ?! や、やだ…そこは…っ!!」 「ここも、小振りだけどとっても柔らかい。揉んでみてもいいかしら?」 「やぁ!…や、やだ…っ!あ、あ…んぅぅっ!」 「感度もいいのね。ますます可愛がってあげたくなっちゃう」 ちゅくりと音を立てて離された唇から酸素を吸い込むナオキの顔を見て、スイコはどこか熱に浮かされたようにうっとりとした表情で呟く。 そうしてぐったりとしたナオキの胸元へと手を這わし、その場所にある小さな膨らみを手の中へと収めた。 大きすぎず、小さすぎないナオキの乳房の形を確かめるように彼女が揉めば、その行為がただのじゃれあいの域を超えていることを察したのだろう、ナオキは眉を寄せ拒絶の意を示した。 だが、スイコは揉む度に身体をビクビクと揺らし、甘い吐息を漏らすナオキに煽られたのだろうか、さらに強い刺激を彼女へと与えた。 「…このまま本当に食べちゃってもいい?ねぇ、熱血くん」 「それは困りますねぇ」 口元から飲み込みきれなかった唾液を零し、胸への愛撫を拒み切れないままのナオキへ、スイコは応えることの出来ない問いをナオキへと投げ掛ける。 もちろんナオキが応えられないこと、そしてスイコ自身この行為を止めるつもりが無かったこともあり、彼女の手は問い掛けながらもナオキの纏うスカート、さらにその奥に広がる秘部へと手を伸ばしかけた時、二人しかいない空間に一つの声が響いた。 「あら、雀ヶ森くん。今はお取込み中よ?」 「そのようですね。でも、愉しんでいるのはスイコさん、キミだけじゃないですか?」 「あら、そんなこと無いわよ」 それまでの淫猥な部屋の雰囲気を一掃したのは、チームFFのリーダーである雀ヶ森レンだった。 部屋の入り口にある扉に凭れ掛かるようにして奥に居る二人の少女を見遣った彼は、部屋に広がる異質な空気をものともせず、スイコと会話を続ける。 感の良い彼には、スイコの考えがすっかりバレてしまっていたらしい。けれどもスイコの方も余裕を崩すことなくレンへと応える。 「とにかく、今日はここまでにして下さい。分かりましたね」 「仕方ないわね。……大丈夫、熱血く…」 だが、これ以上行為を続けることを良しとしないレンに再度釘を刺されてしまってはさすがのスイコも諦めざる終えなくなってしまった。 残念そうに肩を竦めてから、今まで蚊帳の外に居たナオキへと声を掛ける。だが、その言葉は途中で止まってしまった。 見下ろしたナオキの顔が、すっかり正気に戻り羞恥で肩を震わせていたからである。 そして、息をすぅっと吸い込み次の瞬間には大きな声で叫んだのだ。 「セーラー服の馬鹿やろぉぉぉぉぉぉぉっ!!」 それからのナオキの行動は早かった。 乱れた着衣を直すのもそのままに、床に散らばった自身のデッキを掻き集めたかと思うと、そのまま一目散に部屋を後にし、姿を消してしまった。 「あらあら、ずいぶんと嫌われちゃったみたい…」 「でもスイコさん、顔が笑ってますよ」 「だって彼女、とっても可愛いんだもの。…ますます可愛がってあげたくなっちゃったわ」 ナオキが嵐のような激しさで去った後、部屋に残されたスイコは困ったように頬に手を当てていたが、レンに顔の緩みを指摘され、またその笑みを深くしたのだった。 (竜乙女の身体を愛する天使) もっともっと、可愛がってあげる。 |