するり。

「これと、これと。…あと、この色もですね」

布が擦れる音を静かに奏でながら、レンは三和の服の肌蹴させ、素肌を暴いていく。
火照り、快楽から逃れようと身じろぐ身体、その両腕を先ほど彼の胸元から抜き取った制服のネクタイで、横たえたベッドヘッドと一体になるように固定する。
晒された胸元は日に焼けていないとはいえ、透き通るように白く、彼の纏う金と蒼がより一層その色を際立たせている。その白はどんな色もよく映える。気が付けばレンは部屋にある自身に贈られたプレゼントを結んでいた色とりどりのリボンを三和の身体の至るところへと縛り付けていた。

竜の咆哮が響く赤。
正義を謳う黄金。
騎士が翻す蒼。
闇を纏う紺色。

どれも、三和の金髪と白い肌に反射して鮮やかに光っていた。

「でも、これが一番よく似合っていますよ」

そう言って喉を鳴らし嗤いながら三和の首に巻き付けたのは、今までで一番暗く、そして鮮血を想わせるような妖艶なまでの紅だった。

「…ん、…ぁ」

そうして程よく筋肉の付いた胸元を人差し指でなぞる。
そっと触れるだけの刺激でさえも、三和の口からは艶めかしく甘い吐息が小さく零れ、それが薄暗い部屋の中で淫靡な色を含んで響く。

「ん…」
「っ!…ふ……は、ぁ…ぅ」

その音を塞ぐように、そして誘われるように、レンは自身の唇を三和のそれへゆっくりと重ねる。
ぴったりと隙間さえも埋めるようにして塞がれた唇から広がる熱に、三和の身体はびくびくと震える。
開いた唇から舌を差し入れ、互いの唾液と絡ませ合わせるように無防備な三和の唇を嬲る。
ぐちゃぐちゃと乱暴な音を立てながら、温かく肉厚な舌が絡まり合う感覚は、今までに経験したことが無いためかひどく新鮮で、気が付けばレンは三和の身体にぐっと身体を密着させ唇の感触を貪っていた。

「ん、ん……は、ぁ?」

そうして何分経ったのだろうか。唇を離して見下ろした三和の唇は、互いの唾液が部屋の照明で反射し光を放っていた。
それを見て、レンはうっそりと微笑み、口角を歪に歪める。

(縛り上げる)

さぁ、次はどこを触っていい?