「しんっじらんねー!! お前、小さくなったオレにあ、あんなことするなんて…っ!!」

「いたっ!……痛いですタイシ…」

「これだけで済んでラッキーだと思え!! このショタコン!!」

「ボクはショタコンじゃないです。ボクは三和コンです」

「うるせーっ!」


そうして数時間後、後始末を終え眠りに就いたレンは顔を赤くさせた三和の怒号と彼が自身の頭を殴打する痛みで目が覚めた。

小さな頃は高校生の時の記憶が無かったのだが、元の姿に戻った三和はどうやら小さくなってしまった時に起きたことを全て覚えているようで、寝る前に掛けたシーツで身体を隠しながらレンを睨み付けてきた。

だが、起きたばかりで上手く頭が回らない(本当はいつも回っていないが)レンは、漫才のボケのような返答をし、三和をさらに怒らせた。


「タイシ」

「なんだよ!」

「好きですよ」

「なっ!! ちょ、うぁ…っ!」


未だに昨夜の情事のことを思い出しているのであろう。ブツブツと独り言のように呟く三和の傍にするよるようにして、レンは話し掛ける。

そうしてレンへと視線を向けた三和にそう呟いてから、レンは起き上がっている三和の腕を引き再度ベッドへとその身を沈ませた。


「キミも言ってましたよね。好きだ。って…」

「それは小さいオレだろ」

「でもタイシはタイシです。ね、ボクのこと好きですか?」

「……っ!!」


倒れこんだ三和を腕の中に閉じ込めて、レンは昨夜の情事で幼い三和が自身に対して紡いだ言葉を反芻する。

その言葉を聞いた三和は、どこかそっぽを向くようにその言葉を否定しながらも、ちらりと見遣った耳は赤く染まっていた。

そんな反応に満足気味に一つ微笑んで、レンは再度問い掛ける。

今度は逃げられないように目線をしっかりと合わせれば三和は少しの間言葉を詰まらせながら、やがて自棄になったように大きな声で言った。


「ああ!オレもお前が大好きだよっ!! これで満足か?!」

「ええ。ありがとうございます」

「〜〜〜〜〜〜〜っ!!」


そうしてようやく素直になった三和を抱き締めながら、レンは再び目を閉じる。

三和は暫くの間何かを言っていたが、レンが反応を返さないことで諦めたのか、倣うようにして目を閉じ、レンと同じく夢の中へと旅立っていった。



(素直な言葉、幸せの証)



今度は大きいキミの口からも聞きたい。