※レン三和連作
※外道レンさん×可哀想な三和君
※全体的にR-18




「三和タイシ…ですか」

「ええ、その人物が今もっとも“櫂トシキ”に近しい人物となります。調査によると、彼はほぼ毎日彼と連れ合って登下校をしているようです」

「へぇ、あの櫂と…。それは興味深いですね」


高く聳え立つFF本部と銘打たれたビルの一室にて、FF当主に与えられた質の良い革張りの椅子に身体を沈めながら、目の前の男、新庄テツが告げる内容を聞く。

彼の手の中で微かな音を立てて捲られていく書類は、今雀ヶ森レンが妄嫉する“櫂トシキ”に関する身辺調査の内容だった。

その中には櫂の学校生活や私生活に至るまで、尊重されるべき個人の情報までが知る限り載せられているのであろう。

それを調べるよう命じたのは紛れもなくレン自身であり、そしてFFに所属しレンに忠誠を誓う部下が調べ上げたものである。

いつもとあまり変わり映えの無い報告内容だったそれに、今日は変化があった。

孤高のヴァンガードファイターと名高い櫂に、交友関係があったことが一つ。

そして、その唯一の友人でもある人物の名が分かったことで二つ。これだけでも、大きな進展だ。

あの櫂に友人が居るということにも驚いたが、何より毎日と言っていいほど彼と連れ合って隣を歩くことの出来る三和と言う男に興味が湧いた。


「テツ。その三和と言う人物と一度ゆっくり話がしてみたいですね…。ゆっくりと、ね」

「では、明日にでもこちらへ来させるよう手配します」

「うん。手段は問わなくていいよ。一度きりしか合わない人間に、そこまで手厚く歓迎の準備をする必要無いから…」

「畏まりました。では、失礼いたします」

「ああ、明日、楽しみにしているからね」


早速テツにその三和と言う人物との時間を設けるよう、はっきりとは言わないが仄めかすようにそう言えば、目の前の彼は表情一つ変えずに大胆なことを言ってのけた。

だが、レン自身がそのような突飛な行動を日常茶飯事に起こすので、レンは彼のそんな反応に嬉しそうに微笑んで言葉を返す。

そう、手段は問わない。三和タイシがFFとして接してくる人物に対してどんなリアクションを取るかも分からぬ現状で、レンは彼をこの本部へ“穏やかに連れてくる”という手段を完全に捨てた。

彼が抵抗するならば薬の一つでも嗅がせて、眠りに落ちたその隙にこの場所まで拉致してくればいいだけの話なのだ。


「本当に楽しみです。ね、キミもそうでしょう?タイシ…」


頭を下げ、静かに退室するテツの姿を見届けてから、レンは妖しく微笑む。

口端をつぃと上げ、厭らしく目を細める。

その瞳の奥に、嗜虐の炎を宿して。



(「イイ仔見つけた」)



「さぁ、ボクを愉しませて下さいね。タイシ…」


お題/モノクロ メルヘン『拉致監禁強姦』