※両方女体化(つまり百合)
※ひな祭り大遅刻編










「いや……や、ですっ!レンさん!」

「どうして?とっても綺麗ですよ、アイチ君」


押し倒され、着衣を乱されたアイチの蒼の髪が床に広がる。

床暖房を設置された床は寒さこそ感じないが、今のアイチにはその寒ささえも感じる余裕などまったく無かった。

それは、自身に覆い被さる女性、雀ヶ森レンの欲を滲ませた瞳と身体を弄る手を退けるのに必死だったことと、今自分の置かれている状況に完全に混乱してしまっていたからであった。

本来なら寝室で秘めやかに行われる睦言が、レンの手にかかってしまえば床で行われてしまうのは日常茶飯事と言っても過言では無い。

もちろんその度にアイチが抵抗するのもいつものことなのだったが、今日はそれに加え違うものが一つあったから、アイチはいつも以上に抵抗の色を濃くし、レンに抗議するのだった。


「こんな……僕はこんな恰好……嫌ですっ!」

「アイチ君はお雛様の方が良かったですか?すみません、衣装は一着ずつしかないんですが…」

「そういうことじゃないんですっ!僕は……」

「ならいいじゃないですか。せっかくの雛祭りなんです。女の子同士、楽しみましょうよ」

「ひっ!……あ、…ひゃ…っ」


それは、互いに纏う衣装がいつもと違うことだった。

アイチとレンが会う時は、アイチは中学の制服、レンは漆黒で覆われたコートと、互いに見慣れた服で会うことが多かった。

今日も途中までは同じはずだったのに、レンの家へ招き入れられたアイチがレンに手渡されたのは、鮮やかな濃紺の着物だった。

訳が分からず、問い掛けるように視線を上げたアイチの視界に移ったレンは、淡い、けれども艶やかな桃色の着物を優美に着こなしていたのだから、アイチはとても驚いた。


『今日は雛祭りですよ。アイチ君』

『は、ぁ……』


当然のことながら呆然とするアイチに、レンは唐突にそう告げる。

未だ状況が掴めず呆けるアイチは、けれどもレンのその言葉に頭の中で今日の日付を確認すれば、なるほど、確かに今日は三月三日。桃の節句であり、一般的に『雛祭り』として女の子の為に設けられたお祭りの日でもあったことを思い出した。

だが、それとこの着物に一体どれほどの関係性がと、またも視線で訴えれば、その意図を汲み取ったレンは丁寧に朱の引かれた唇で弧を描きながら妖艶に微笑んだ。


『だから、一緒に雛祭りをしましょう?アイチ君』


そうしてあれよあれよと、アイチが混乱から抜け切らないことをいいことに、レンは一度アイチに手渡した着物を奪い取り、さっとアイチに被せると同時に床へ押し倒すようにして倒れこんだのだ。

もちろんなんの準備もしていなかったアイチは床に頭を強かに打ち付けたので、抵抗の意を唱える時は瞳の端に涙を浮かべた状態だった。

それを羞恥ゆえの抵抗だと都合よく解釈したレンは、今なお動き回るアイチの両腕を相手しながら制服を乱してゆく。

気が付けば、アイチが身に纏っている衣服は下着代わりのキャミソール、その下に胸を支えるようにして着けたブラジャーと、下半身はショーツ一枚になっていた。

そして、服に覆われていない凹凸の少ない華奢な身体の下に広がる濃紺の着物が、あまりにもアンバランスで欲を誘う。

レンはそんなアイチの痴態を見下ろしながら、舌なめずりをした。

朱が引かれたその唇が、唾液で光るその様を目の当たりにしたアイチは、下腹がきゅん、と疼くのを感じ、一瞬止まっていた腕を再び動かし、またも抵抗をする。


「……鬱陶しいですね」

「いっ!……やっ」

「アイチ君の腕は邪魔ばかりして可愛くないので、今日はこのまま縛ってしまいましょう」

「や!いや、ですっ!レンさん!……っぅ」


最初こそ恥じらいゆえの可愛い抵抗だと思っていたレンだったが、次第に鬱陶しさを感じ始めたのか、空を切るその両腕をがしりと掴み、傍に脱ぎ捨てたアイチの制服のスカーフでキツク縛り付けた。

容赦の無い締め付けに苦痛と抵抗の意を唱えるが、もはやそのことなど聞く気すらないレンは、やっと邪魔されなくなったと上機嫌にそんなに上手くはない鼻歌を歌いながら、アイチの小ぶりな胸へと手を伸ばし、触れた。


「ひゃっ、んぅ!はっ……やっ!」

「相変わらず感度の良い身体ですね…。ほら、今触ったばかりなのにもう乳首が立ってきましたよ…」

「きゃぅ!……い、や……や、です…レン、さ…」


キャミソールとブラジャーを胸上へ捲くし上げただけの状態で、レンの長く細い繊細な指が、アイチの滑らかで控えめに膨らんだ胸の上を這う。

そして乳房を包み込むように、やがて揉みしだくように手全体を使ってアイチの胸を愛撫し始めれば、尚も抵抗の意を唱えるアイチの口から、控えめでいて快楽に溺れ始めている甘い嬌声が零れだす。

初心で、それでいて行為に全く慣れることをしないアイチの羞恥を煽るように、ワザと淫靡な言葉を口にしていけば、嬌声を零しながら顔を真っ赤に染めたアイチは、瞳に涙を浮かべながら、その快楽から逃げるように身を捩る。


「おっと……。だめですよ、逃げては」

「ひぁぁぁっ!やぁっ!そこ、摘まんじゃ……ダメっ!」

「こんなに固くして……。アイチ君は厭らしくて可愛いね」

「ふぅぅ……はっ!う…んんっ!」


捩れる身体を固定するように、動き辛い着物の股を限界まで広げたレンの脚は、アイチの腰を固定する。

そうしてぴたりと止まったアイチの身体に覆い被さりながら、今度は乳房への愛撫で立ち上がった桃色の突起を指で摘まみ、弄り倒す。

くりくり、ぐりぐりと。

緩急をつけて行われる愛撫に、快感に忠実なアイチの身体をびくびくと震える。

それと同時に漏れる甘美な嬌声も、次第に大きくなっていく。


「ほら、見てくださいアイチ君。アイチ君の乳首、こんなにツンと立って、とっても美味しそうです…」

「いやぁっ!見な……見ないでぇっ!」

「食べちゃいましょうか」

「あぁぁぁぁぁぁぁああぁぁぁっ!!」


からかうように、ツンと存在を主張するアイチの桃色の突起を弾いたレンは、徐にそれを口に含んだ。

敏感な箇所を突如として濡れた場所で包み込まれたアイチは、瞳に溜まりすぎた涙を振り撒きながら今までで一番大きく啼く。

その反応に気を良くしたレンは、さらにアイチを高ぶらせようと突起への愛撫を続ける。

それはまるで、幼子が母親の胸から母乳を吸い取るように激しく、強く。

そして、吸い上げてから突起をなぞるように舌で円を描いて。

最後に、舌先でつつくように突起を舐めれば。

それだけでアイチには大きな快感となる。


「もうショーツもぐしゃぐしゃですね…。気持ち悪いでしょう?今、脱がしてあげますからね…」

「ふぁっ、……あ、は……」


そうして散々弄り倒した突起から唇を離し、レンはとうとうアイチの身に着けたショーツへと手を掛ける。

もう抵抗する思考も力も無いアイチは、とろんと蕩けた表情でレンの行動を眺めているだけだった。

するりと片足分だけ引き抜かれたショーツはアイチの脚の踝の辺りに残されたままで、レンは蜜を零すアイチの秘部へと指を滑り込ませた。


「いぁぁあああぁぁぁぁぁあっ!」

「アイチ君の中、とってもトロトロで熱いですね。ほら、分かりますか?アイチ君の中が、こんなに僕の指に絡み付いてます」

「きゃあっ!や、レンさ……、指、動かしちゃだめぇっ!」

「アイチ君の厭らしい蜜もいっぱいですね」

「んぅぅぅっ!」


まるで味わうかのように、アイチの中へ侵入してきたレンの指が、容赦なく快楽を与える。

とうとう与えられた絶対的な快楽に呑まれるアイチは、口からは止めどなく嬌声を吐き出し、目には涙を浮かべて凌辱を受ける。

レンの指が秘部の襞を掻き分け、抉り、奥へと進む度、アイチの動きは激しくなる。

てらてらと光り、溢れ続けるアイチの愛液を恍惚とした表情で見下ろしながら、レンは未だ快楽に咽び泣くアイチの唇を塞ぐ。

くぐもった声でなお嬌声を上げるアイチの舌を強引に絡め取り、口腔を犯す。

ぐちゃぐちゃと肉厚な舌で互いのそれを絡め合うのと同時に、秘部に埋めた指もピストンさせる。

すると、縛り続けられていたアイチの腕が、解放を求めるようにレンの胸元を心もとなく叩く。

それが腕の解放を望む合図だということを知っているレンは、キスと凌辱で埋まっていない唯一動く片手だけでアイチの腕の戒めを解く。

そして、それが解かれたのと同時といっていいだろう。

アイチの腕が、レンの首に縋るような手つきで回った。

そうしてぐんと近くなった二人の距離が、キスが、深くなる。

口の端から漏れる吐息が、唾液が、部屋の空気をより一層、淫靡に仕上げる。

広がる蒼に覆い被さる桃が、ひどく妖艶で、卑猥で。

少女と呼ばれる彼女達を、その瞬間だけ『女性』に魅せていた。


「っは!レンさ……ぼく、もう…っ!」

「いいですよ、アイチ君。僕の見ている前で、淫猥に、淫靡に、イキなさい」

「―――――っ!!」


ぐちゃり。秘部を犯す水音が一際大きく響いたのと同時に、アイチは声にならない嬌声と共に果てた。

汗を滴らせながら息を弾ませるアイチの上から退いたレンは、今まで脱ぐことを頑なに拒否していたようなのが嘘のように、乱暴に着物を脱ぎ捨て、再びアイチの上へと倒れこむ。

濃紺の着物に、蒼と紅の髪が広がり、混ざる。

レンはアイチの色香を愉しむように、すぅと鼻を動かした。


「レ、ンさ……」

「いいです。何も言わなくて。それに、疲れたでしょう?今はゆっくり…」


やすみなさい。

その言葉をアイチが聞いていたかどうかは分からない。

その声に少し遅れるようにして聞こえてきたアイチの寝息に耳を澄ませながら、レンはアイチの蒼髪へ指を滑らせる。

愛しみ、慈しむように、そっと。


「今日は素敵な祭りをありがとうございます、アイチ君。……いいえ、お内裏様」


そうして妖艶に微笑んだレンもまた、アイチと同じように夢の中へと旅立つ。

こうして、二人の雛祭りはひっそりと幕を閉じたのであった。



(蒼と紅の交わる秘密の祭り)



次は、どんなプレイをしましょうか?