恐る恐る、とゆっくり手を伸ばして触れてみた。何も言われなかった。今度は撫でるような触ってみた。何も言われなかったが表情が少し和らいだのが分かった。なら、このまま続けちゃえと手を止める事なくそれに触れる。

想像していたよりは固くない、けれど多少の固さのあるそれは意外にも触り心地が良く触れる度に手に絡む感触が気持ち良い。


「ワリィなゴールド。もう少し我慢しててな」

「俺は大丈夫ですからグリーンさんはゆっくり休んでて下さい」

「サンキュ」


二人きりの空間でゆったりとした時間が流れてふんわりとした雰囲気に包まれている。

互いの髪を弄り微笑み合うこの空間に身を委ねた。グリーンもゴールドもこの時間を気に入り大事にしている。草木に囲まれ暖かい陽射しが木漏れ日となって柔らかく二人に降り注ぐ。遠くから鳥ポケモンの控えめな鳴き声が聞こえてそよ風が辺りに音を響かせいく。




グリーンが寝息を立て始めてもゴールドは彼の頭を支える膝を崩す事はしない。少し動くだけでも起きる可能性はあるだろうし、何よりも普段より距離が近く自分に甘える姿や温もりを放したくないからだ。



ゴールドはグリーンの顔に手を添え、顔を近づけてそっと触れるか触れないかの僅かな距離まで唇を寄せた。



「お休みなさい、グリーンさん」


瞼が重くなり始めたので、その重力に逆らわず後ろにある木に寄りかかって眠りに就いた。



幸せそうな表情で眠る彼等には暖かい夢へと誘われている。

離れないようにと繋いでいる手が解かれる事は無いだろう。


それは夢の中でも同じだった――…。








「キラキラころり」の愛須様より頂きました!
無理を言ってGB版の緑金をお願いしたところ、こんなにも素敵な文章を頂いてしまいました!
これをもらった時はちょうど仕事の休憩中だったのですが、一人ロッカーの前でにやにやしていたのは内緒です。
もっと皆GB版緑金、書けばいいんだよ…っ!

愛須様、本当にありがとうございました!