※個人的な贈り物
※友人のまこちゃんに捧げる!





「い……たぃっ!…痛いです……レッド、…さ、…」

「………」

「んぅ…」


がりっと音を立てて噛みつかれた首筋。多分血は出ていない、というより出ていたら困る。
もちろん痛いからこれ以上はと静止の声を掛けても、彼は自分がつけた歯形をべろりと舐めあげるだけで何も言わない。

冷たいフローリングの床に押し倒され上着を下へ引っ張られた状態で、オレの剥き出しの首筋は彼の餌食となっていた。
噛みつかれ、その痕に舌を這わす彼のせいでオレの首筋はべたべたになってしまっていた。

今この状態を鏡で見たら、間違いなくオレの首筋は彼の歯形でいっぱいだ。


「(どうして、こんなことをするのだろう?)」


疑問でならなかった。

なぜ、彼はオレを噛むのだろう?
捕食しているつもりなのか、それともただ所有印を刻み込んでいるつもりなのかは分らない。
彼に聞いたことがないから、はっきりとした理由が分からないけれど。

恋仲になって少し経ったある日から、彼はこうしてオレの身体を噛む。
優しく、時に激しく。まるで、構ってくれとペットが飼い主にアピールするかのような仕草だ。

始めは痛くて、どうしてこんなことをするのか分らなくて普通に怖かった。
このまま彼に全てを食べられてしまうのではないかと思って。

でも、彼にそんなつもりは微塵も無いって分かったからそれ以上何かを考えるのはやめた。
だって、多分意味がないだろうから。

それに、


「……っ」


本日何度目かの噛みつきと舐めあげられる行為に、自身の身体に変化が訪れた。
ずくりと、下腹部が疼く感覚に頬が染まるのが嫌でも分かった。

やはり真意は分らない。
でも、この行為で気付いたことが一つだけある。

そう、これは、情事を始める合図。

いつからかは分らない。けど、いつの間にかオレは彼のこの行為に快楽を見出していた。

噛まれ、舐めあげられるこの行為に欲情したのだ。


「ひぅっ!」

「…固くなってるな。感じた?」

「…!? 分かってるなら、早く……っ!」

「分かったからそんな睨むなって」
ゆるりと主張する自身を撫で上げられ甲高い声が出る。
咎めるようにキッと彼を睨み付ければ、意地の悪い笑みを浮かべ彼は分かりきったことを聞いてくる。
こんな身体にしたのは彼自身だというのに。

焦らすような彼の問いに抗議するように続きを促せば、彼は未だ笑ったままゆっくりと覆い被さって来た。そうして今度こそオレの上着を脱がせると、先ほど自身が噛みついた痕をそっと撫でる。

うっとりと、まるで綺麗に付けられたことを喜ぶかのように笑う彼はそのままの表情でオレに深い口づけをする。
すかさず入り込んできた舌にオレも応えるように舌を絡める。
ぬるぬると絡み合う舌に反応して、また下腹が疼く。

ぐり、と不意に当たった彼の下腹が自身と同じように大きくなっていることに興奮して、今まで以上に顔が真っ赤になった気がした。



(理由?至極簡単さ、)



君の味を知りたいから!