※リメイク♂主は“ヒビキ”呼び





「こんにちは」


後ろから声がする。聞き覚えのあるボーイソプラノ。


「…よぉ。遅かったじゃねぇか」


わざとらしく言いながら後ろを振り返れば、先ほど欠片の中に見えた少年とそっくりの少年が、そこにいた。

後ろに被った帽子に、前にはみ出した前髪。
どこか懐かしい風貌の少年は、ニコリと笑みを浮かべている。

その両手には、抱えきれないほどの星屑の結晶があった。


「“コレ”を拾ってたら思いの外時間がかかっちゃいました…」


俺の視線に気づいたのか、彼はそれを少し抱えあげ、苦笑する。
腕の中の結晶が、揺れに合わせてキラリと光った。

少年は徐にその欠片の一握りを、空へ還す。

すると、先ほどと同じように、結晶は弾け、今度は彼の記憶が映し出される。

見上げた空の上には、シルバーやクリス、それに俺達と笑い合っている映像が映し出されている。




















『やっと…会えましたね。“グリーン、さん”』


先ほどの声よりも少し幼い、しかし凛とした声が、隣から響く。


昔の、“少年”の声で。


少年の声は震えており、顔を見れば、綺麗な涙が頬を伝っていた。
それでも、彼は笑顔を浮かべていて、

その顔を見た途端、どうしようもないほど嬉しくて、懐かしくて、


『…あぁ、久し振りだな。“ゴールド”』


気づけば俺も、彼と同じように泣いていた。
抱き合った互いの心臓から、小さな鼓動が命を彩る。


『“グリーン”』


『“ヒビキ”』


不意にどこかから懐かしい声がして、俺たちを呼ぶ。


「(なんだ、お前ら先に来てたのか…。心配して損したな)」


また、新しい世界で、新しい名前で、俺達の記憶は紡がれていく。

過去の記憶と共に。



(君がくれた、愛という花と共に)










解釈の仕方として、

→姿(データ)が変わっても、記憶は彼らの根底にある。
→リメイク組はソレを理解しているから、あえて緑と金を過去から切り離した
(崩れた世界を繋ぎ止めることは、彼らの体の負担になってしまうから)

つまり、初代組は少し勘違いをしていたということです。