これの続き
※ヒビキがかなり隠語連発
※なので背後注意!
※やっぱり四月馬鹿の残骸(でも結構ノリノリ)





「ひぁぁっ!あ、ひび、き……や、めっ!」

「どうして?ゴー兄ちゃんの中、こんなに熱くなってて気持ち良さそうなのに」

「あぁぁぁぁぁっ!」


ぐちゃぐちゃと彼の中を無遠慮に穿てば、甘い嬌声が悲鳴のように部屋に響いた。
そうして乱れた彼の姿を上から眺めながら、僕は喜びを噛み締めた。

彼の嬌声と同時に響くのは鈍い金属音。
快楽に呑まれた身体、その手元に光るのは銀色の手錠。

それは僕が彼を暴くために嵌めたもので、無駄な抵抗をしないようにとベッドヘッドへ括らせて、簡単に取れないようにした。

手錠の鍵は僕のズボンの中。
でも、そう簡単には彼を解放しないさ。

だって、ようやく彼と繋がれたんだ。もっと彼の身体を感じていたい。

もう一度確かめるように、彼の秘部へ向かって陰茎をゆっくりと侵入させる。


「いぁっ!! …あ、……や、」

「あ、もっと激しい方がいい?それならそうと…」

「違…う!」

「何?はっきり言わなくちゃ分んないよ」

「どうして…。どうしてなんだよっ!! こんなこと……、ヒビキ、お前自分が何してるのか分ってるのか!?」

「分かってるよ…」


いやいやと首を振る彼に、くすくすと笑いながらそう言えば、彼は語尾を強めて僕の言葉を遮った。
それに少しの不満を覚えて、一旦律動を止めて彼を見れば、彼の瞳は真剣に僕の顔を捉え、僕へ説教じみたことを言い始めた。

きっと、彼の目には僕が精神を病んでいるように見えるのだろう。

自身と同じ性を持った、自分の弟のように可愛がっていた少年が、この異常な行為を正常な精神状態で行っているとは夢にも思っていないようだ。

それに無性に腹が立って、僕はそんな彼の言葉に拗ねたように返事をして、身体を動かした。


「あ、あ……は…っ!!」

「僕の性器が、ゴー兄ちゃんの中に入って、とろとろに蕩けたこの中で暴れてる」

「……っ!! いや、……あぅ!」

「この行為がセックスって言うのも、愛する人とする行為だってことも知ってるよ?」

「ひっ……!だった、ら……どうして、…オレ、なんか…にぃ!!」

「ゴー兄ちゃんはさっきからそればっかだね。……まだ分らないの?」

「ひ……んんぅっ!!」


彼の中にある自分のイメージを壊す為に、僕はわざと卑猥な言い回しでこの行為の内容を伝える。

まさかそんな露骨な言葉を僕が知っているとは思わなかったのだろう。彼は目を丸くしながら、穿たれ与えられる刺激と熱に再び嬌声を漏らす。

でも、やっぱり僕が彼にこの行為を強いるのかは理解できないらしい。


まったく、これだから鈍感な人間は扱い辛いんだ。


ふぅと人知れず溜息を吐いてから、ぐぐっと彼の最奥に熱を埋めて、言い聞かせるようにゆっくりと言葉を吐いた。


「僕はね、ゴー兄ちゃん。ううん、ゴールド、君が好きなんだ」

「は……ぁ?」

「君が好き。君の真似をしたのも、君の傍にぴったりと寄り添うのも、そう、すべては君を手に入れる為」

「ヒ……ビキ」

「だから、ね?今こうして君の中をむちゃくちゃに出来ることが、すごく嬉しいんだ」

「…やめろ」

「でも、そろそろ僕も限界。……ねぇ、この意味分かる?」

「やめろ…」

「この中に僕の精液を注いだら、どうなるのかなぁ…?」

「……いやだ、やめろっ!!」


ゆっくりと、彼の前で被っていた仮面を剥がし、本当の僕を曝け出す。
そうして彼の身体の上に指を置いて首筋を優しく撫でながら、今度はその指を焦らすように下へと滑らせていく。

それにさえも反応する彼の身体に顔を綻ばせていると、僕は指を目的の場所でぴたりと止める。

その指の下にあるのは、彼の腹部。
正確には、その奥にある僕の陰茎を指しているのだけれど。

その行動と僕の言葉の意味を悟ったゴールドは、この世の終わりのような顔をして、懇願するように言葉を放つ。

でも、そんな彼の願いなんて聞いてやらない。

今まで僕の想いを無視してきたんだ、僕の初めての“お願い”くらい、聞いてくれなくちゃ。


「そんな顔しても、だめ。………っ!!」

「あ…。あぁぁぁぁぁぁぁっ!!」


涙でぐちゃぐちゃになった顔でやめてくれと頼み込むゴールドに愛しさを感じながら、笑顔でその願いを拒絶する。

そしてとっくに限界を迎えていた自身の熱を彼の最奥に解放すれば、彼も同じように自身の精を吐き出した。




















「おやすみ、ゴールド」


ちゅ、と意識を飛ばすように眠りに就いた彼の額へ唇を落とし、にこりと笑う。
手の拘束を解いて、後始末もした。

今は二人とも衣服を纏った状態で、一つの布団の中に包まれている。

夜が明けて目が覚めた時、彼になんて声を掛けてやろうか?

少しやつれてしまった彼の顔を眺めながら、僕は明日のことに考えを馳せる。

身体は手に入れた、あとは、彼の心だけだ。
でも、それも簡単に手に入りそうだな。

だって、彼は僕のお願いなら絶対に断れないだろうから。


「明日から楽しみだよ、ゴールド」


そうして浮かべた笑みは、どこまでも無邪気であった。



(ちぢまらない歳の差)



埋まらないのなら、埋めてしまえばいい。


お題/雲の空耳と独り言+α『年上に恋して 5題』