「…お、あったあった」


風の無い、青空の下でソレを見つける。
トキワジムの外れにある小高い丘。

背の小さな草に紛れて光を放つ欠片を拾い上げる。


「“あいつ”も来たのか…」


その欠片を覗き込むと、その結晶の中に一人の少年が写りこんでいる。
後ろ向きに被った帽子からはみ出す特徴的な前髪に、見覚えがある。


「早く来いよ…」


ふ、と軽く笑い、その欠片を空へ投げる。

瞬間、その欠片が弾け、辺りを光が包み込む。

弾けた欠片から零れる、記憶の数々が、空を彩る。
そこには、レッドやブルー。そして“過去の俺”が笑っているところが映し出されている。

彼らの笑顔に、ちくりと痛む胸の痛みに背を向けて、俺は今を生きていく。


想いは紡がれ、儚い絆は強く繋がっているから。


例え過去の俺達が消えてしまっても、また新しい俺達として、出会っていけばいいんだ。


いつかきっと出会えるから



(夢の在りかに想いを馳せて)



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