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あと7日
本日11月14日のさそり座は、残念!12位です。相性がいいのはおひつじ座!
ラッキーアイテムは……
キッチンタイマーです。
「真ちゃん家、今日誰もいねーの?」
部活が終わってからの帰り道。俺がひいているリヤカーの上で真ちゃんがぽつりとつぶやいた。
俺がチャリを止めて振り向くと、真ちゃんは何か言いにくそうにしていて、かに座のラッキーアイテムであるマリーゴールドを指で突いていた。
……この俺も、出会ったころはこいつの仕草とかで言いたい事が分からなかったけど、もう手に取るように真ちゃんの言いたいことが分かる。分かり過ぎて毎日楽しい。
「――あ、もしもし母さん?うん、俺。和成だけど。今日緑間ん家誰もいないらしくてさー、緑間料理苦手だから俺作ってくるわ。んで一緒に食べるから、ごめんけど俺の分の飯いらない。うん。え?いや泊まりはしないっしょ平日に!んじゃ、ちょっと遅くなっからー」
「た、たかお」
「母上への報告かんりょー☆真ちゃん今日何食べたい?」
携帯をなおしてまたチャリを漕ぎ出す。
真ちゃんが俺の背中を見てるのが分かる。やっべ、真ちゃん可愛すぎてにやける。
「お、オムライス!」
「オムライス?んな簡単なやつでいいの?」
「あったかいスープも欲しいのだよ」
「了解了解。今日の俺のキッチンタイマーが役に立つなー!」
オムライスて!195cmの男がオムライスて!あったかいスープて!きゃわいい!
高尾和成、丹精込めて作らせていただきまっす!
◆
「なぜお前は男なのに料理が出来るのだよ?」
部屋着に着替えた真ちゃんが、キッチンで軽快なリズムで玉ねぎを切っている俺の頭に顎を乗せてきた。
ふぉぉおおお!甘えた真ちゃんまじ天使っ!
「なぜって言われてもなー。いつか困らないように母さんが教えてくれたから?」
「お前はそつなく何でもこなすからいけすかんのだよ」
「いけすかんて!東京で初めて聞いたけど!?それ関西弁じゃね!?」
「うるさいのだよ」
俺の頭に顎を乗せたまま、俺の腰に回した手に力を込めてぎゅうっと抱き着いてくる。
なんなの?この可愛い生物……。
可愛いなぁと思いながら玉ねぎをみじん切りにしていると、頭の上からぐすっと鼻をすする音が聞こえた。
「真ちゃん」
「なんなのだよ」
「目にしみた?」
「うるざいっ!」
「もー、強がんなって。顔洗っておいで?」
真ちゃんが俺から離れて行く。
あ、体温が……なくなった。真ちゃん結構温かかったんだな。
ぴぴぴぴぴぴっ
ちょうど玉ねぎを切り終わったところでキッチンタイマーが鳴る。
先に作っておいたスープが良い具合に出来上がったかな?
鍋の蓋をどけて、スープを小皿に少量とる。味をみてみると、ちゃんと美味しかった。
「味見か?」
少しだけ目を赤くさせた真ちゃんがやってきて、小皿を指さす。
そうだよと言って、またスープを少量そこに入れた。
「はい。真ちゃんも味見して?」
俺から小皿を取ってふうふうしてから口に入れる。
ちょっとだけ顔の筋肉が動いたから、味は不味くはないのだろう。
「美味いのだよ」
「そ?良かったー」
「俺もなにか手伝うか?」
「んー……」
正直調理実習で見た真ちゃんの包丁さばきはいただけない。
絶対にいつか指を切り落とす。
「さっきみたいに俺にくっついててよ♪」
「なぜだ」
「寒いのー!真ちゃんがくっついてくれてら俺あったかいから」
「ふん、そんなの手伝いじゃないのだよ」
ほんのりと頬を赤らめて、真ちゃんがぎゅっと抱き着いてくる。
俺、こんなに幸せでいいのだろうか?
なんか日に日に真ちゃんが素直で甘えたで優しくなっていくような気が……
もしかして一年分のデレ……!?これから一年はもうデレはこない!?
それとも三年くらいこない感じ!?
「真ちゃん、お腹空いたね」
「そうだな。だから早く作るのだよ」
「エース様の仰せのまま!」
今日は真ちゃんのデレだけでお腹いっぱいになりそうです。
:あと7日
料理ネタはお腹が空きます←
ほんとはおひつじ座の人を出そうと思ったんですが…あまりにも面識のない人だったのでやめました(笑)