高尾誕生日企画 | ナノ
Takao's Birthday Project
あと1日





本日11月20日のさそり座は4位!相性がいいのはふたご座です!相性が悪いのはかに座。
ラッキーアイテムは……ミニラックです。



これは仕組まれてる。
占いの監修さんはさそり座が嫌いなんだ多分。


「ミニラックも家にしかねえよ!」


三日連続でずっと持てないものがラッキーアイテム。
どういうこっちゃ。
いや、でも持っていく。置いてるもの全部家においていけば、ミニラックくらい持って行ける。
真ちゃんのラッキーアイテムは炊飯器。真ちゃんは多分持って来る。
だって人事を尽くすから。

だから俺も、人事を尽くすことにしよう。



 ◆


「高尾、お前……」

「あ、真ちゃん!みてみてミニラック!」

「俺に近づくなぁ!」

「うぇえええ!?」



炊飯器を脇に抱えた真ちゃんが、ミニラックを持って近づく俺の前に手を突き付ける。
ぴたっと俺は足を止めた。……そういえば、今日さそり座と相性が悪いのはかに座だったっけ。


「大丈夫!多分!」

「何を根拠に!」

「俺の心!」

「馬鹿者!」


べしん、と頭をはたかれる。
一定の距離を保て、と言われ俺は仕方なく一定の距離を保つ。

制服の上からも分かる、肉付きのいい背中に抱き着きたい。
ホールドしたい。殴られてもいいからもっと近くにいたいけど……


「真ちゃぁん俺さみしいよぉ!」

「知らん」

「もっと近くに行きたいよぉぉおお!」

「うるさい」


廊下を歩く俺たちを客観的に見てみたい。
炊飯器を抱える男とミニラックを持つ男。
周りはどういう風に俺たちを見ているのだろうか。
それに俺叫んでるしさ。


「真ちゃん、俺昨日気付いたよ!」


ぴくっと真ちゃんの肩が跳ねる。
もういいや。どうにでもなれ。


「真ちゃんが俺の誕生日だからって、10日前から俺にラッキーアイテム持たせてたこと!ねえ真ちゃん、俺ちゃんとすっごく幸せだったよ!ラッキーアイテムもそうだけど、真ちゃんのその気持ちがあったから、俺はずっと幸せだったよ……!」


きゃー、と周りの女子から黄色い声があがる。
ざわつく周りを無視して、真ちゃんの言うことも無視して、真ちゃんの右手を掴む。

くん、と後ろに引っ張られた真ちゃんが振り向いた。


「昨日宮地さんからヒント貰うまで分かんなくて、全然気づかなくって、ごめん。ほんとにごめん。……ありがとう、真ちゃん」


シン、と辺りが静まり返る。
ぶわわわわと真ちゃんの顔が真っ赤に染まった。


「お、おれはそんなことしらないのだよ!」

「声裏返ってるよ真ちゃん」

「うるさい!知らないのだよ!」

「ばかわいい!」

「黙れ!」


ぎゅううっと手を力強く握る。
こうすれば、俺に弱い真ちゃんは振りほどけないのを知っている。


「真ちゃん、大好き」


真っ赤な顔してこくりと頷く。
それを見たギャラリーが一斉に拍手をして「分かってたけどおめでとう」とか「もう絶対結婚しろよ!」とかさまざまな言葉が飛び交う。

真ちゃんがちょっと怒ってる。
そりゃそうか。こんな大々的に告白しちゃうんだもんな。
真ちゃんそういうの嫌いだし。

……でも、真ちゃんが仕方ないって困った感じで微笑んでくれたからいいか。



「やっぱほら、相性なんて変えられるって!」

「……ばかお」

「近づいてもなんにも起きないっしょ?」


真ちゃんの目が「そうだな」って言ってる気がした。

誕生日が来る前からこんなに“ありがとう”って言いたいの、まじで初めて。
大して大事にしてこなかった誕生日が、特別になっていく気がした。




:あと1日

とうとう明日です。……終わってしまうのが寂しいです。
というか公開告白させてすみませんでした(笑)
明日、相性一位でありますように!
そうじゃなくても高尾なら一位にしちゃうよね!!





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