高尾誕生日企画 | ナノ
Takao's Birthday Project
あと2日



本日11月19日のさそり座は6位!相性がいいのはやぎ座です!
ラッキーアイテムは……革製のソファーです。



俺は朝、家のリビングにどかっと構えている革製のソファーに座って考えていた。

ラッキーアイテムはこの通り家にある。そう。

家にあるのだ。

こんな朝の何十分座っていただけでいいのだろうか。昨日のドラム式洗濯機については真ちゃんもさすがに何も言わなかった。午前中ずっと家電量販店で愛でてたって言ったから。

まあ、これも持ち歩けないから仕方ないけど。
ていうか何で持ち歩けないものが二日続くんだよ!


「行ってきます」


学校を休んで一日中ソファーに座っているわけにもいかない。
俺は鞄を持って立ち上がった。



 ◆



「っ真ちゃんずりいよ!」

「なにがだ」



学校についてからの第一声。
だって真ちゃんいつもズルい!自分だけいつも持ち歩けるものでさ!!

昨日は歯磨き粉、一昨日は柿、その前はインセンス。
ちょっと小ぶりで細いものばっかり!ズルい!


「俺はいつも人事を尽くしているからな」

「くっそ〜……!」

「応接室にでも行けば革製のソファーがあるんじゃないのか?」

「え、やだよ!勝手に入ったら怒られんじゃん」

「人事を尽くせ」


真ちゃんは何でもかんでも“人事を尽くせ”って言えばいいと思ってない!?
それ言われて“うんそうだな!”って言うほど俺馬鹿じゃないよ!?


「いいよ、家にあったから……」

「……それでお前が、幸せなら」

「へっ?」


聞き返したところで授業開始のチャイムが鳴り響く。
真ちゃんは何でもない、と言って俺から顔を背けた。

俺はくるりと前を向いて、頬杖をつく。
――さっきの言葉、どういう意味?



 ◆


昼休み、俺は三年の教室に来ていた。
ちょうど教室から出てきた三年の女の先輩に声をかける。


「宮地くん、一年のバスケ部の子来てるよー!」

「ああ?」


まだ食事中だったのか、焼きそばパンを頬張った宮地さんが睨みつけてくる。
俺が苦笑いすると席を立ち、俺のところまで向かってくる。


「あんだよ」

「えっとー…」

「早く言え。こっちは食うので忙しいんだよ」

「俺、最近ラッキーアイテム持たされてるじゃないですか」

「ああ、緑間な」

「それで、なんで持たされてるか理由知らないですかねー、なんて」

「理由?」


俺何で宮地さんに聞いてんだろ。
……少なからず、緑間は宮地さんに懐いてるから?
それとも年上の人に相談すると良いっていう、おは朝の影響?

宮地さんはむぐむぐと口を動かしながら、俺を見下ろしてくる。
その目は何か知っているようで。
パンが半分くらいなくなったところで宮地さんは口元を拭いながら、冷めた顔で笑った。


「お前の思考回路ってそんなもんかよ」


馬鹿にしたように俺を笑う宮地さんに、俺は首を傾げる。
はあ、とため息をつく宮地さんがごつんと俺の頭にげんこつを食らわせた。


「って!」

「てめーでよぉく考えろ。まず、いつ始まったのか。次にもうすぐ何があるのか」


いつ始まったのか……?
もうすぐ何があるのか……?


「まじ俺ヒントやりすぎー。これで分かんないとか抜かしたらまじで轢く。パイナップル投げる。ドリアンも」

「精一杯考えさせていただきますッ」



宮地さんから早く帰れと言われた後、俺は教室までの道のりで考えていた。

いつから始まったのか……えーと、確か8日前だったっけ。
ラッキーアイテムが枕だったときだ。よく覚えてる。だってあの後えっちいことしたし。

今月なにがあるは……何があるんだ?
特に思いつかないんだけど。
11月……


『お兄ちゃんもうすぐ誕生日だよね。プレゼント何がいい?』


――俺の誕生日?



:あと2日

高尾さんが気付いたところで終わります。






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