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▼12月





12月といえば、クリスマス。
恋人たちの三大イベントのひとつと言われています。

そんなイベントの前に、とてつもなく大きなイベントが実はあるのをご存じですか?


「黒子。赤司の誕生日プレゼントはもう決まったのか?」

「……一か月前に高尾の誕生日どうしようとか言ってた人に言われたくないです」

「なっ、俺は親切心で……ッ」


そう。僕の恋人である、赤司くんの誕生日の月です。

僕は悩んでいます。誕生日プレゼントとクリスマスプレゼントを一緒にするかどうか……ではなく、何をあげればいいのか。

ちなみに隣に座っている緑間くん。彼は高尾くんの誕生日の10日前から幸せをプレゼントしてきて、当日はご奉仕…という形をとったそうです。実に緑間くんらしい。高尾くんの欲しい物をよく分かっているプレゼントだと思います。

僕も赤司くんに自分自身を差し出せばいいじゃないかって?

ここだけの話、彼は超絶倫です。何回やっても足りないらしく、僕が気絶するまで解放してくれません。

プレゼントだと言って自分を差し出したらさぞかし喜ぶでしょうが僕が気絶しても一人でずっぽずっぽやってそうです。目が覚めたら僕はきっと動けないでしょうね。


「そんなに迷うのなら、直接赤司に聞けばいいのだよ」

「緑間くんにそっくりそのまま僕は一か月前に言いましたよ。それが出来ないから悩んでいるのだよ!と赤面しながら言ってきたのはどこのどいつですか」

「……口が悪いのだよ、黒子」

「ああ、すみません。あらぶってしまいました」


緑間くんの話を聞く限り、高尾くんも絶倫らしいです。
誕生日が過ぎてから話を聞いてみましたが体力ある緑間くんでも翌日はずっとベッドで過ごしたと言っていましたから…僕なら死ぬんじゃないでしょうか。

赤司くんが欲しいもの…必要としていそうなもの……

湯豆腐?


「赤司は冷え性だから、手袋やらマフラーやらがいいんじゃないのか?」

「なるほど……。緑間くんにしてはいい解答です」

「お前俺の事嫌いだろう」

「なんのことだかさっぱり」


手袋……マフラー……

中学時代彼が身に着けていたそれらを思い出すと、容易に世界的に有名なブランド名が出てくる。

高校生があんなブランドに手は出せない。赤司くんに安物を渡すわけにもいかないし……


「やっぱり却下です。あのブランドは無理です」

「別にブランドじゃなくてもいいんじゃないか。お前から貰ったものならあいつは喜ぶと思うのだよ」

「だからって安物をあげるわけには……」


困った。非常に困った。

ここは安い高い関係がなさそうな湯豆腐を……いや、豆腐の値段ですね問題は。

赤司くんなら食べただけでどこの豆腐か、その豆腐の値段まで分かりそうです。


「金に困るというのなら、やはりプレゼントはお前自身でいいのだよ面倒くさい」

「君も僕の事嫌いでしょう」

「なんのことやらなのだよ」


こうやって迷っている間も、刻一刻と問題の誕生日は近づいてきている。



:さて、困った








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