赤司くんが、誠凜へ来た。
目元が真っ赤に腫れ上がっている。
火神くんはもちろん誠凜の先輩がたもびっくりしていた。
「赤司くん……?」
僕が呼び掛けると、赤司くんはゆっくりと顔をあげた。
黄色と赤色の瞳が僕を映している。
赤司くんの腕がするりと僕の首に絡み付いてきた。
「テツヤ……」
「おい黒子、」
「すみません火神くん。口出しは不要です」
火神くんがどんな顔をしているか分からないが、少し強く言い過ぎたかもしれない。
「赤司くん。黙ってても分かりません」
「……すき」
「はい」
「……だいすき」
「はい……」
「……あいしてる…」
「赤司くん?」
次第にキュ、キュ、とバッシュの独特の音が聞こえてきた。練習を再開してくれたのだろう。
「僕は本気で、テツヤが好きなんだ」
「知っていますよ。一体京都でなにがあったんですか?」
「僕はテツヤが側にいなきゃ、生きていけない」
「赤司くん…」
僕を抱き締める赤司くんの腕に、力が入った。
「ねえテツヤ。僕のことが本気で好きなら、誠凜やめて洛山においで」
「赤司てめぇ……!」
「じゃあ、」
火神くんを制するように、僕は少し大きな声を出した。
「僕のことを本気で愛してるなら、洛山やめて誠凜に来てください」
「テツヤ、テツヤ……!」
「赤司くん。約束したじゃないですか。別々の学校に行っても、気持ちは変わらないからって」
子どものように涙を流す彼をみて、自分の目からもなにか温かいものが流れてくるのが分かった。
ああ、赤司くんはこんなにも切羽詰まっていたのか。
赤司くんはこんなにも僕を愛してくれているのか。
「ごめん。ごめんねテツヤ……」
「いいえ。ただ、ちゃんと分かっていてください。僕は世界で一番赤司くんが大切だと」
ごめんね、そう何度も呟きながらやがて泣きつかれたのか僕を抱きしめたまま眠りについてしまった。
……どうしましょう。
そもそも赤司くん、新幹線の時間……
「黒子くん!結局彼なんだったの」
「すみません監督。練習…。あと、赤司くんは少し僕を好きすぎるんです」
「はあ?」
「発作みたいなものですよ。中学のころにもありました。一時したら落ち着くので、気になると思いますが気にしないでください」
「発作、ねぇ……」
寝ている赤司くんの、赤色の綺麗な髪の毛をゆっくりすく。
さらりとした髪の毛は、僕の指から簡単に離れていく。
「本気で愛してるが故の、です」
:発作
お互い依存していて、愛しすぎて発作が出て弱くなる赤司さんかわいい。
発作
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