だん、と鈍い音が部室中に響く。
赤司くんが壁に大袈裟に手をついたからだ。
手をついたからというか、殴ったからというか……。
「そんなに怖い顔をして、どうかしましたか赤司くん」
「見に覚えがないなんて、これだから駄犬は嫌いなんだよ」
「赤司くん……?」
ぐっと僕の髪の毛を掴んで、更に上をむかせた。
地味に……頭皮が痛いです、赤司くん。
「今日の昼休み」
「昼休み……?」
ーーああ。
彼の怒っている理由がわかった。
昼休みに、女の子に呼び出されたのだ。
でもそれは別に、告白ではなかった。
黄瀬くんへの手紙を預かっただけであって……。
赤司くんが怒るようなことは何もない。
「黄瀬くんへの手紙を預かっただけですよ」
「へえ、それで?」
「え?」
「だからって僕が許すとでも思ったかい?」
「あ、かしく……!」
くちゅ、といういやらしい音と共に、僕の口内に赤司くんの舌が入ってくる。
赤司くんの舌が僕の口内で暴れまわって、犯される。
「のこのこ知らない女なんかに着いていって……」
「赤司く、ごめ、なさ…っ」
「桃井には目を瞑っているが、他の女を認知した覚えはない」
赤司くんは、独占欲が強い。
赤司くんは、束縛が激しい。
赤司くんは、嫉妬深い。
赤司くんは、僕を愛しすぎている。
「僕以外と、話さなければいいのに」
そんな彼が、好きな事実は多分一生変わらない。
赤司くんが命令するのなら、僕はそれを守るだろう。
:へえ、それで?
やっぱりこんな赤司様が素敵←
へえ、それで?
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