「テツヤ、もっとくっついて」
僕、黒子テツヤは現在バスケ部キャプテン、赤司くんの膝の上にいます。
胡座をかいている赤司くんの足の間に座って、ぴったりくっついています。ちゃんとくっついています。
なのに、まだくっつけと?
どうやって?
「対面座位みたいだね、テツヤ」
「……やめてください、赤司くん」
「僕に反抗するの?」
「ごめんなさい赤司くん」
「いい子だね。さあ、もっとくっついてみてごらん?」
「これ以上くっつくとなると、僕と赤司くんは溶け合うことになります」
「溶け合う?」
部活のメニューを書き込んでいた赤司くんの手が止まる。
赤司くんの胸に押し付けていた顔をあげると、赤司くんと目があった。
「溶けたら、くっつくというか混ざりあうな」
ふ、と小さく笑う。
どくん、と心臓が跳ねた。
こういう赤司くんの顔は、正直言って苦手だ。
だって慣れていないから。耐性がない。
赤司くんが本当は優しいのは知っているけど、こんな、こんな顔はーー
「混ざりあうのもいいかもな」
「え?」
「でも、僕がテツヤに消されてしまうかもしれない」
「どうしてですか?」
「だってお前は黒だろう。黒は何があっても黒だ。赤なんてすぐ主張しなくなるだろうな」
「あの、でも、僕にとっては赤司くんの色は濃いので、黒でも消せないと思います!」
ばかなテツヤ、と呟いて赤司くんが僕にキスをした。
赤司くんの背中に回していた腕に力を込めてもっとくっつけば、溶け合えるような、混ざりあえるような気がした。
:くっついて
赤司様と黒子っちがくっついてるだけの話を書こうと思ったのに…!以下おまけです。
「俺も黒子っちとくっつきたいッス〜っ!!」
「馬鹿黄瀬。空気読め」
「今行ったら確実に殺されるのだよ」
「赤ちん笑ってる〜。幸せそ〜」
「てか…俺らいるの忘れられてるんスかね…?」
「俺らはいま空気なのだよ、黄瀬」
たまにはキセキも空気読むんです!←
くっついて。
back