「俺はね、黒子。
黒子と二人で一緒に帰ってみたい。
お前と一緒にマジバへ行ってバニラシェイクを飲みたい。
黒子と手を繋いでみたい。
手を繋いだら次は抱きしめたい。
抱きしめたらお前の唇に口づけたい。
口づけたらまた抱きしめて、お前を抱きたい。
体を重ねたら二人で同じベッドで眠りに落ちたい。
きっとお前は汗もかいてるし泣いてもいるだろうから、それをそっと拭ってやりたい。
お前に腕枕してやりたい。
お前を後ろから抱きしめて眠りたい。
朝目が覚めたらお前の寝顔を一番最初に視界に映したい。
そして俺はそっとお前の額に口づけたい。
お前が起きてくる前に朝食を作って起きてくるのを待ちたい。
起きてきたら他愛のない話をしながら一緒に食べたい。
二人の一日の予定を言い合って、暇があれば二人で出かけたい。
映画とか、遊園地だとか…図書館でもいいな。
お前が好きな所に二人で行ってみたい。
そしてそれぞれ行った場所で写真を残して、アルバムにしたい。
それを懐かしみながら、お前と一緒に年を取っていきたい。
――これが、お前に対する俺の最大の願望だよ黒子。だけど俺はお前とこれらのことはしないでいるよ。ただの部活動仲間として生きていく。お前の全ての“初めて”は、いつか出来る彼女に取っておいてあげるよ。
黒子。お前は寝ているが、起きている脳が今俺の言ったことを覚えていたら……初めてをクリアしていくごとに、俺を思い出してくれ。なんでだろうと思ってもいいから、俺を思い出してくれ。
最後にひとつ。
お前の結婚式には呼んでくれるな。お前の幸せを誰よりも一番願っているが、幸せになる姿は誰よりも一番見たくないんだ、俺は。情けない男ですまない。これが今の俺からの精一杯の“お願い”だよ、黒子」
彼はそっと寝ている僕の頬にキスを落として部室を去って行った。
ぼろぼろと零れてくる涙を拭ってくれるのは君じゃないんですか?
僕のたくさんの初めてを一緒にクリアしていくのは君じゃないんですか?
君の側で幸せになる僕は……見たく、ありませんか…?
キスを落としてから囁かれた言葉を僕は聞かなかったふりをしたくありません。
でも君が、君が苦しんで考えた結果ならば僕は何も言いません。言う資格もないんだと思います。
「――僕も、愛しててごめんなさい…っ」
部室のベンチで、丸くなって泣いている僕は
一体誰と幸せになればいいんですか――?
『――ごめんな、愛してる』
やりたいことはぜんぶ、あかしくんとがいいのに、
:やりたいこはぜんぶ
ちょっとシリアスを書きたくなったのですが…
シリ…アス…?
やりたいことはぜんぶ
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